梅雨戻りの晴れ間に奥飛騨周遊

スタバである。スタバ、正式にはスターバックスコーヒー、今や日本最大クラスのコーヒーショップチェーン、マクドナルドよりサブウェイよりセブンイレブンよりコメリよりも店舗数が多いんじゃないかと思わせるくらいどこにでもあるスタバ、しかも路面店が激増中で、なんでこんなところに! ってくらい、変なところにもあるスタバ、実はあんまり入ったことがないんだよね。なんせ、意識高い系の方々のお店らしいから、一見ユニクロみたいな服なんだけど実はBARNEYS NEW YORKとかFABRIC TOKYOとかの服着てさ、勤め先は横文字の社名で公用語は英語とかでさ、当然使ってるのはM2のMacBookでブラインドタッチでクリエイティブなお仕事をしつつ、スマホで最新情報などチェックしつつ、スタバのナンタラグランデとか飲むわけですよ。典型的ホワイトカラー、こっちは知恵がないなら汗をかけと言われての肉体労働専門のブルーカラーで、とてもじゃないけどスタバの敷居を跨ぐようなキャラじゃないもん。しかし、何の因果かそんなところにやってきたのがスタバのクーポン券、これでスタバでお茶できるのであるが、前述したような事情で、なかなか行けなかったのだ。が、有効期限が迫ってきたので、このまま無効になるのも癪だから、思い切って行ってみようと思ったのである。で、某イオンモールに買い物に行った時に、スタバに寄ってみた。なぜかここのイオンモール、2軒もスタバがあるけど、おかしくないのか。これが常識か。これがアメリカ的物量資本主義か。アメリカ的といえば、スターバックスコーヒの社名の由来がメルヴィルの白鯨の登場人物航海士のスターバック氏からであることは有名だ。『白鯨』”Moby-Dick; or, The Whale”(1851年米)はアメリカの作家、ハーマン・メルヴィルの作品で、世界十大文学作品のひとつになるほどの傑作なんだけど、白鯨に片足を食いちぎられたアハブ船長が捕鯨船ピーコット号で世界の海を駆け巡り、白鯨に復讐を果たそうとする物語、といえば簡単だが、内容的にはそんなもんじゃない。これは絶対者<神>の象徴である白鯨に対する復讐の情念<邪悪>の象徴であるアハブ船長が、<人類>の象徴である捕鯨船ピーコット号が憎悪の連鎖によって<邪悪>に染まり、最終的に<神>に挑んで悲劇的な末路を辿る、とまあ、実にアメリカ的キリスト教的終末物語なんである。ちなみに、タイトルは知ってるけど読んだことがない、あるいは途中で挫折したランキング1位らしいな。確かに読みにくいというか全然面白くない。高校時代に教会の司祭の話のシーンまで読んで挫折した。で、失業中に改めて読んだら、なんとか読めて、まあ、さっき書いたような結論に至ったわけだ。『白鯨』読んでから『終戦のローレライ』を読んだけど、こっちの方が全然面白いよ。でも、考えようによっちゃあ、モチーフは同じなんだけど。えーっと、話がそれたけど、思い切ってスタバに行ったんだよ。スタバの注文は難しい、超難解共通一次試験くらい難しいかどうかはさておいて、何しろ品名がギャラクティカマグナムとかスペシャルローリングサンダーとか影道雷神拳とか、どこがどう違うのか全然わからんじゃん。(車田先生ごめんなさい)うーむ、困った。で、見つけたのが、ポスターのメニュー、今のおすすめみたいなので、これにしちゃえばいいじゃん。これくださいと言って買いました。そしたら普通の抹茶ラテだった。なんだと、なんかよくわからんかっこいい名前だったけど、単なる抹茶ラテじゃんか。くっそーと思って地団駄踏んでたら、まっちゃんが「なんで、抹茶ラテ頼んだんだから当然じゃん」「だってナンタラカンタラって」「それ抹茶ラテのことだよ」「なんだとー」「だからフラペチーノにしとけって言ったでしょ」「わーん、フラペチーノにしておけばよかった」ガッカリだよ。どうしてくれよう。そうだツーリングに行こう。ということで、ツーリングに行くことにした。

さて、昨日に引き続き連続出撃である。なんでこんな幸運に恵まれたかという話は長くなるからやめて、今日は遠征しようと思ったので、朝は超早く起きて、なんの変哲もないトーストとカップスープを食ったら、メッシュレザーで実家新型ガレージに移動すると、旗艦CB1300SFライアン・ストーン号を引っ張り出す。エンジンいっぱ(編集部注;以下略)オイ注釈も省略かい。

まずはガソリンを入れよう。いつものコスモ石油(編集部注;以下略)オイここの注釈も省略かい。レギュラーガソリンは割引後価格151円だった。

国道19号線を東に向かう。今日の目的地、遠征の行き先は奥飛騨である。このところ行ってなかったもんね。以前は温泉巡りでよく行ったんだけど、温泉自粛になっちゃってから全然行く機会なかったもんな。しかし、今日は早い時間に出撃できるので、ガツンと一発かましたる作戦だよ。走りまくったる作戦だよ。

国道19号線から尾張パークウェイに入って犬山方面に向かう。先頭がノロノロ運転軽自動車なので、ここで一気に時間短縮を考えたのにうまくいかんな。そしたら、今日は日曜日だというのに、後ろから走ってきた営業車が、思い切り反対車線に出て一気に抜いて行ったら、トップスピードでぶっちぎり、まさしく見えなくなっちゃたんだけど、一体何があってあんなに急いでるんだろう。よほどとんでもないクレームでもあたのか。しかし途中で事故っちゃ元も子もないからな。焦らず行けよ。

国道41号線に入った。この辺りからメッシュでは厳しい寒さになってきた。気温は22度で、これはメッシュでは厳しい気温だな。メッシュは30度以上じゃないとダメだ。しかし、メッシュでないレザーは25度が限界なんで、その間の5度が曲者なんだよ。だから、朝寒いのを我慢してメッシュんで走るしかないのだよ。でも中にもう1枚着てくればよかったな。

国道41号線をどんどん進んでいく。木曽川を渡って、美濃加茂市内をスルーするバイパスを抜けると、そこで某三河の自動車メーカーの、ガチでマイルドヤンキー向けに生産されてるミニバンが、ものすごい勢いで走ってきて、走行車線から抜いて行きやがった。なんだと、舐めた真似しやがって。所詮三河のマイルドヤンキー如きに、この世界最強のHONDAのマシーンがコケにされるわけにはいかんのだよ。いくぜ! アクセル全開! 吠えるエクゾースト! (編集部注;見えなくしましたので以下略)オイなんだよここからいいところじゃん。

国道41号線は日曜日だと観光客が多いが、今日は早めの時間なのでそういう輩がいなくて順調快調に走れる。早朝なのでまだまだバイクもいないぞ。と思ったら、道の駅七宗にはすでに3台のバイクが停まってた。ライダーが談笑してたが、どう見ても同世代だった。いやー、みんな歳食ってくると早く起きれるようになるんだね。若い頃は絶対起きれなかったもんな。8時出発でもきつかったもんな。

そこから白川金山下呂萩原とちょっと寒いが涼しすぎるくらいになってきて、道の駅渚にピットインした。電光掲示盤温度表示は21度だった。水分補給をしないで走ってきたから、何か飲みたいのだが、自販機しかなかった。早い時間でお店が営業前だからな。自販機のコールドは飲めん、この寒さで飲んだら冷え切っちゃうからな。仕方がないのでコンビニ探しに出発した。

そこから高山市街手前で朝日村方面に曲がり、美女街道国道361号線を走って平湯方面への国道158号線分岐まで来て、その先のコンビニに入った。ここって、以前も来たよな。コンビニの前にいい感じのホテルがあって、今度ここに泊まりたいなーとか思ったもんな。店内に入ったら、常温のミネラルウォーターが山積みになってたので、これは幸いと買った。一緒におにぎりも買った。体が冷えたら日本人は米を食うに限るぜ。ミネラルウォーター飲んでおにぎり食った。食ってたら、若いヤンキーねーちゃんたちが集まってきて、なんだなんだ、レディースの集会かと思ったら、ヤンママの学校のクラブ活動の集まりみたいで、予算はいくらだの領収書を忘れないようにだの、実にきっちり仕事してた。こういうママたちに社会は支えられているのかも知れないな。

コンビニを出たら、いよいよ平湯に向かって走っていく。この国道158号線がハイライトだよ。急激に高度を増しながらヘアピンカーブが続く、実に走りごたえあるダイナミックロード、思い切り走ってやるぜ。と思ってたら、前は観光客の他県ナンバー車、そして最悪なのは後ろに走り屋さんたちの一団がついてきたのだった。先頭にカワサキのバリバリに続いてドカ、そしてBMWのSSかな、皆さん、アマリングなにそれおいしいのと言ってそうな方々で、そんなのが後ろについてきたら、チョーヘタッピライダーの気持ちは穏やかではないのですよ。確かにHONDAは最強だがライダーは最強ではないにょ。いまだにUターンできんやん。あはは。しかし、それを回避するときがやってきた。宿儺の湯の手前にある登坂車線で先に行かせるのだ。登坂車線に入って後ろの走り屋さんたちを先に行ってもらったら、ブイブイいいながら走っていった。そして見えなくなると思ったけど、見えたまんまだった。なぜなら、その先にも観光客の車がタラタラ走ってたからである。仕方がないな、日曜日だもんね。

乗鞍スカイライン前までやってきた。いつもの場所で写真を撮ってたら、ロードバイクがヒーコラヒーコラと走ってきた。これから乗鞍スカイラインに行くのだろうか。今日はちょうどいい感じで晴れて雲も多いので、結構な雲海に遭遇できるだろうな。登るのはきついけどな。

いつもの撮影を済ませて走り出す。いよいよ平湯峠最大の難関、平湯トンネルだ。入ったらあとは運を天に任せるしかない。どうか漏水がひどくありませんように。バイクが泥まみれになりませんように。祈りつつ走っていくけど、漏水よりもトンネル内がめちゃくちゃ寒いわ。凍えそうになって、トンネルを抜けた。幸い、漏水はちょっとだけよあんたも好きねーだったのでよかった。トンネルを出たらあったかくなった。春が来た感じ。最高に見晴らしがいい峠越えを進んで、アルプス街道平湯に到着した。ここでカツ丼を食うつもりだったけど、レストランはまだ営業していなかった。売店では登山客がいろいろ買い物してた。観光客のファミリーが即売のおやきを買ってた。おやきもいいけど、ちゃんとした飯がいいので早々に離脱して、さらに奥飛騨に向かう。いよいよ、奥飛騨突入だ。ひさしぶりでワクワクする。

走っていくと、バイクにいっぱいすれ違って、みんなどこから走ってきたのか、ここに泊まってたのか。あるいは長野県側から安房峠越えで来たのか。ウネウネ山道を進んで奥飛騨温泉郷に入ると、国道の両脇には温泉旅館が立ち並ぶ。でも、ところどころ、営業してんのかどうかわからないような旅館もあった。完璧に廃業してる感じのホテルのあった。いやーやっぱりこのご時世だから、経営に行き詰まっちゃったところも多いんだろうなあ。厳しいよなあ。

温泉街を抜けると、いよいよ新穂高方面への道に至る。さてどうしようか。新穂高に行ってもロープウェイくらいしかないから、乗りたいと思ってたけど、こんなに天気がいいのだからこのまま走った方がいい。そう結論して、神岡方面に向かって走り出す。

この国道471号線が全く交通量がなくて、快適な道を独り占めでかっ飛ばして行けた。もうね、ライダーズハイになっちゃった。快感にヨダレ垂らしながら走ってた。アヘアヘと走ってたら、道の駅神岡にやってきた。ここで何か食えるかもしれん。バイクがたくさん駐車してた。その隣に止めて、道の駅の建物の方に歩いていった。で、お店を確認したけど、まだやってなかった。仕方がない。まだ時間が早いからな。

奥の方に行ったら、スーパーカミオカンデの施設があったので無料だったから入ってみた。意外と言っては失礼だがすごかった。すごかったけど、ニュートリノが結局何だったのかよくわからんままだった。まあいいや。次行ってみよう。

神岡を後にして、国道41号線に入ると、高山方面に戻っていく。この道もまだ走りごたえのある道なのだ。国道41号線ってのは本当に素晴らしい国道で、よくぞ作ってくれましたと国土交通省に感謝したくなるような道だよな。アクセル全開でぶっ飛ばして、86軍団をぶっちぎり、ハーレー軍団をぶっちぎり、スバルWRXをぶっちぎり、向かうとこ敵なしで走っていくのだ。気温も適温になってきて、クーっいい感じだぜ誰にもオレを止められないぜえ状態になった。が、途中の数河高原がとっても寂れてて、びっくりしてチョウザメになっちゃったよ。昔は結構ぶいぶい言わせててリゾート地だったんだがなあ。

飛騨古川まで来て、コンビニに止まって、ミネラルウォーター買って飲みながら、この後の作戦を考える。とにかく昼飯をどうするかだ。スマホでググって調べたら、いろいろあってわけがわからん。そういえば、この辺りに有名なお店があったよな。調べたら近くだった。ナンタラ食堂っていう店だ。よし行ってみよう。超人気店らしいので混んでたらスルーな。

果たして、超人気店まで行ったんだけど、想像以上に超人気店だった。開店過ぎてるのに、駐車場には車がいっぱい、どこぞの選挙応援演説みたいな人だかりができてた。あれみんな待ち客かよ。いっぺんに入る気がなくなって、スルー。完全スルー。

仕方がないので高山市街に入ってからお店を探したら、以前から行きたかったお店に行き着いた。そうじゃん、ここで食えばいいじゃん。でもこの店も人気店で満員御礼だったら諦めよう。そう思って駐車場の隅にバイクを止めてお店に入ったら、ちょうど1組開いたみたいで席にすぐ着けた。

こういうところはスピードが命だ、即決だ。メニューにおすすめがあったのでそれを注文した。ミックスフライ定食。フツーだがおすすめというくらいだからおいしいに違いない。待ってたら、向こうのお客さんが「はじめ注文した時は多くてびっくり」「食べきれなかった」などと会話してたもんで、ほんとかよーと疑心暗鬼に思いつつ、がしかし、テーブルに届いたのは、どこの会席料理ですかというくらいな豪華絢爛、ご飯が少なめだが、おかわり自由だそうなので、これは食いまくるぜ。腹も減ってるからな。ここまで我慢してきたんだから食欲解放だぜ! いやいかん! いかんぞ! こういうふうだから後で後悔するのだ。後で後悔ってなんだよ、先に後悔する奴がいるかよ。まっちゃんにも言われたけど、もう歳なんだから、胃腸のことを考えて食事しなさい、だよ。ご飯はこの一杯で我慢我慢。おかずをゆっくり味わおう。なにこれめちゃくちゃうまいじゃん、エビフライほくほくじゃん、カニクリームコロッケカニカニじゃん、唐揚げでかいやわらかいこの薬味が絶妙じゃん、カツはヒレカツじゃんヒレだよヒレ、おかしいだろ、普通のミックスフライセットになんでヒレカツが並ぶんだよ、ここじゃヒレカツは普通なのか。味わうどころかうまかったのでガツガツ食っちゃって、しかし、ご飯は一杯で我慢したのでちょうどいい感じのお腹いっぱいになった。うー幸せ。

満足して食ったらお店を出てC B1300SFに戻ると、国道41号に出て帰路についた。

行きと違って気温が急上昇、メッシュでちょうどいいくらいの暑さになった。止まるとめちゃくちゃ暑いぜ。途中、コンビニでポカリを飲んで水分補給した。冷えたのでも大丈夫なくらい暑くなってきた。いいねー夏だね。いよいよ夏だね。

ガンガン走って帰ってきた。久しぶりの日帰り下道400キロ越えだった。

本日の出費

お茶とおにぎり 240円くらい

ミネラルウォーター 87円

ミックスフライ定食 1700円

ポカリ 140円

本日のCB1300SFの走行距離 402キロ

累計のCB1300SFの走行距離 34450キロくらい


そういえば高山線沿いに撮り鉄さんが集結してたけど、新型ワイドビューひだがデビューしたんだね。


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