イチョウはみどり色の高山寒かった
今週末も晴れになった。こんなに毎週毎週晴れると、何だかちょっと怪しいんじゃないの誰かぼくを騙そうとしてんじゃないの、これは新手の詐欺なのか、電話がかかってきて、晴れちゃったんだよどうしようお金がいるから振り込んでよーなんてことになったら振り込んじゃうじゃん。んなわけないだろ。これは管理人が日頃の行いが良いからなのであって、別に後ろめたく感じる必要はないのだ。そうだよ、胸を張っていけばいいんだよ。しかし、行楽機運もまた全開バリバリなのであった。日本国民一億総行楽ボケ状態なのであった。どこもかしこも、行楽客で賑わいまさしくサタデーナイトフィーバーの様相を醸し出していて、ヘマすれば、その怒涛の行楽客に巻き込まれてしまうので、ここは先手必勝、出発時間を大幅に早めで行くことにしたのさ。オレってあったまいいー。で、朝、草木も眠る丑三つ時に起きて、まっちゃん「いちごジャムが残ってるの全部使っちゃえー」というメニメニベリーモリモリ風ジャムトーストを食って、ちょい冬装備で実家新型ガレージに行く。
ガラガラとシャッターを開けて、今日の出撃機、CB1300SFライアン・ストーン号を引っ張り出す。まだ暗いもんで、なんかよくわからへんなー。早朝からHONDA炸裂だと近所迷惑なので、ひっそりと行くことにしよう。小声で、エンジン一発始動、唸るHONDA最強、轟エクゾースト以下略、えーっ、こんな小声なのに以下略ですか。
まずはガソリンを入れよう。いつものようにコスモ石油に行くと、給油機の前に止めて、レギュラーガソリン満タンに入れた。前回230キロ走って13リットル入った。うそーリッター20キロ切ってんじゃん。なんだあれか、滋賀県って走ると燃費悪くなるのか。そういう土地柄か。まあね、名古屋市なんか走ってみ、泣きたくなるくらいの高燃費になるぜ。名古屋ナンバーの運転の荒っぽさは、そういうところから来てるのかもしれんな。(編集部注;個人の感想です)
ガソリン満タンで、まだ真っ暗な国道19号線を多治見方面に走り出す。メチャクチャ寒いやんけ。どうなってるんだ。マジ冬装備にしてくりゃ良かったじゃん。いや待て、でもそんなことしたら、温暖さが激しいから、1日の気温差12度くらいあるから、帰り汗だくになっちゃおうかもしれんので、それは避けたい。汗だくで走って、ヒューと冷えて風邪引きましたではシャレにならんからな。健康第一で考えたら、こういう適切な服装で行くべきなのだ。そして、今は寒いのは仕方がないので、我慢我慢、昼には暑くなるに決まってる。まあ、後程、全然この予想は外れるんだけどね。
そんなこんなで寒い寒いといいつつ、走って行くバカライダー、こんな寒いなら乗らずに寝てりゃいいのに、走るのはまさしくバカヘンタイライダーなのであった。悲しくなるくらいライダー根性が染みついちゃってるもんね。こんなクソ寒いのに、この身が切れるような寒さの中を走ってると、生きている感じがするんだよねー。ヘルメットの中では鼻水が垂れてくるわ、呼吸すればシールドが曇るわ、参った参った。しかし、アクセルと緩めることなく、内津峠を越え、多治見市街に入って、いつもの小泉駅前ルートで旧国道248号線に進むと、可児市内を通過して、川辺に至るのだった。で、我慢の限界に達した。もう寒いからコンビニに入って暖を取ることにしよう。国道41号線との合流交差点にあるセブンイレブンにバイクを止めて、店に入ったら、あったかい、ああ、南国ですかここは、幸せ、もうここで帰ってもいいじゃん、いやだめだそれではだめだ、男は負けると分かっていても寒いと分かっていてもいかねばならぬ時があるのだ。
ここで何か温かいものを飲んで、体の中から保温するのだ。ホットドリンクのコーナーに行ったら、いつものほっとゆずを飲もうとして、とんでもないものを見つけてしまったーどうーしよう(カリオストロの城の地下偽札印刷工場を見つけた銭形警部風に)それは<白湯>であった。わざわざカッコよくカッコで括ったのは意味があるのだよ。ふっふっふ、やっと時代は私に追いついてきたようだな。前から言ってるじゃないか。普通の水常温の普通の水ちょとあったかい水、こういうものの需要はブルーオーシャンなのだよ。なぜなら、私が欲しているからなのだ。だって、水分補給しなきゃいかんのはわかるけど、何杯もコーヒー飲めん、お茶ばっかりだとトイレが近くなる、かと言って甘い紅茶や甘いコーヒーなんぞ飲みたくない。で、一番いいのが<白湯>なのさ。だから、どこのメーカーでもいいから、早く商品化しないかと思ってたんだよ。それが実現しました。早速買って(113円もしたよ)飲んだ。フツーのお湯だった。いやこれでいいのだ。意外にフツーのものが欲しいのに売ってないもんね。
フツーのお湯であったまったので、国道41号線を飛騨方面にカッ飛んでいくぜ。そうなのだ。今日の目的地は久しぶりに原点回帰のホームコースを走って高山に行くぜ。高山の国分寺のイチョウの木が黄色になってるかどうか、見に行くのさ。どんな色になってるかは行けばわかるさ。そろそろ温度が上がるかと思いきや、太陽が出てきて明るくなってきたから、気温がグッと下がってきやがって、道路脇の電光掲示板温度表示はなんと4度だった。もはや無我の境地に達する温度だよ。まだ11月じゃん、勘弁してよ。しかし、走ってたらだんだん慣れてきたのか、なんとかなりそうなので、構わずどんどん走っていく。すると、いつものあたりにあったはずのでかい碑がなくなってた。大々的に道路工事が始まってて、災害に強い道路にする工事中です、と看板が出てた。なんということだ、あの碑は多くの犠牲者を出した災害事故の慰霊碑だったんだけど、完璧に撤去されて跡形もない。しかし、あのような災害事故を起こさないようにするための工事なんだから仕方がないな。うんうん。一人で納得しながら通過していった。
さて、久しぶりの国道41号線は、大きく変化してたのがそれくらいで、あとはお変わりないようで何よりです。朝早いせいかバイクは全然走ってない、クルマは他県ナンバーの観光客がタラタラ走ってるので、途中の追越車線で追い越して、どんどん先を進んでいく。そしたらどーんと山の方に雲が出てきて、それも低い位置に雲、これはなんじゃ思ったら、道路交通案内電光掲示板に濃霧注意報発令中、と表示があった。まさしくその直後に、濃霧が覆い尽くし、何も見えなくなるかと思ったら、そうでもなくて、ひたすら低い雲が覆って、暗くなって寒くなって、なんともテンションダダ下がりになってきた。なんだよこれ話違うじゃんかよ晴れのはずじゃんかよ。と観光客他県ナンバーのコンパクトカーの後ろをタラタラ走るながら恨み節を唱えていたが、途中、いつもの下呂温泉看板のところの紅葉が綺麗だったので、どうせタラタラ走ってるならと思い、止まった。で、写真を撮った。そしたら、だんだん霧が低い雲が晴れてきた。
再び走り出して、どんどん進んでいくのだが、再び濃霧注意報電光掲示看板が出現し、再び低い雲が覆い尽くしてきた。こりゃもう、しばらくこのままだなと諦めて、そのどんよりな下をテンション低く走っていく。なんだかなーと思って走っていたら、後ろからものすごいスピードで、反対車線にはみ出し、タラタラ観光客車をゴボウ抜きにしていく、鮮やかな青色のGRヤリスが現れた。ほほう、GRヤリスかね。GRなどとイキがっていても、所詮三河の田舎もんメーカーのプラモデル自動車、このHONDAの真のレーシング魂が宿るRCB直系のマシーンが、貴様ごときに負けるわけにはいかんのだよ。次のタイミングで現れた追い越し車線、登板車線でタラタラ観光客車をごぼう抜きすると、全開で一気にGRヤリスに追いついた。テールトゥノーズでプレッシャーをかけてやるぜ! スリップストームから抜けて、次の登板車線では一気に抜き去って、見えなくしてやるぜ! 行くぜ! あ、道の駅渚だ。ここで電光掲示板の温度を写真撮らなきゃいかん、道の駅に入って行くと、GRヤリスはそのまま猛スピードで去っていった。ふっ、見えなく(以下略)
道の駅渚に入ってバイクを止めると、とりあえず休憩所に入って暖をとった。しばらくぬくぬくしてたらちょっと生き返った気分だ。何か温かいものでも飲みたかったが、自販機が遠かったのでやめて、休憩所を出たら、あたりの紅葉始まりの景色を撮影してからバイクに戻った。あ、肝心の電光掲示板温度表示を撮るの忘れてた。写真を撮ったら出発する。
国道41号に戻って、次は宮峠トンネルを抜けて高山市街に入った。高山市街も、低い雲に覆われてたので、とにかく寒かった。まずはとにかく、ランドマークの高山陣屋に行った。すでに観光客がわんさといて、陣屋の朝市で久しぶりにこんなに観光客がいるのを見るよ。この調子で観光客がどんどん増えるといいねえ。
陣屋を後にして、いよいよ、本日のメインイベント国分寺のイチョウの木に向かう。場所がわからんくて二転三転してようやく辿り着いた。で、予定通り、まだみどり色だった。うーむ、多分そうだろうと思ったけど残念じゃ。次来る時には見事に黄色くなってておくれ。
男子の本懐を達成したら、急激に空腹を感じてしまったので、こんな時間から営業してるところは、吉野家かマグドナルドぐらいしかないので、いやすき家もあるか、あ、なか卯もあるか、どこにしようか、やっぱり吉野家か、高山まで来て吉野家かよ、仕方がないけど吉野家に行った。意外に混んでるんだよ吉野家さん。バイクを止めて店に入って、あのね、吉野家ってのは原点は牛丼屋なんだよ。吉野家で食うのは、やはり牛丼なんだよ。朝食セットとか、そんなナンパなもんは食わんでよし! 男は牛丼一択! かわいい女の子店員に「牛丼並」とハードボイルドに注文したら、かわいい女の子店員さん、なんてハードボイルドなライダーさんののかしら私好きになっちゃいそうポッ(以下略)おい以下略かよ、ここからいいところなのに。
牛丼を食ったら、体中に力がみなぎってきたぜ。やはり米の力は偉大だ。日本人の主食はやはり米ですたい。行ったるでごわすたい。CB1300SFに戻ると、国道に戻った。さっきまでの低い雲が嘘のように消え去って、青空が広がってきてた。で、さらに気温が下がってきた感じがするので、これはやばい、やっぱりどこかで暖をとって休憩しよう。どこにしよう。こんな時に頼れるのはあの店しかない。仕方がない、高山まで来てなんで行かなきゃならんのか、値上げもしてるしでも仕方がない寒いから。
ということでコメダ珈琲店にやってきました。店に入って、いつものようにモーニングは小倉トーストを注文する。ハードボイルドに「モーニング、小倉トースト」と注文したので、かわいい女の子店員さんなんてハードボイルドなライダーさんののかしら私好きになっちゃいそうポッとなるかと思ったら、「バターはおつけしますか」「あ、お願いします」「コーヒーはホットでよろしですか」「あ、お願いします」全然ハードボイルドじゃなかったでした。一息入れて、ようやくぬくぬくできるぜと思ってたら、速攻で小倉トーストとホットコーヒがきた。はやっ。トーストに小倉を塗りたくって食ったらうまかった。コーヒーも久しぶりに飲んだけどうまかった。やはり最後に頼りになるのはコメダ、コメダ珈琲店なのであった。
しばらく居心地良くしてて、牛丼と小倉とトーストとコーヒーが血と肉に変わり熱き血潮に体も激ってきたので、この勢いで行くぜ。店を出たら、国道41号線に戻って、もはや観光客に落城されそうな高山市を離脱する。一気に宮峠手前まで来たら、水無神社のイチョウが見事に黄色かったので寄り道した。
七五三の時期なので、小さな子連れが多くて賑やかしかった。親御さんたちは成長著しい子供を撮り、ヘンタイライダーは黄色いイチョウの木を撮るのだった。本命のイチョウはまだ見頃前だったが、ダークホースが今日の主役を掻っ攫っていったな。いやー最後に黄色いイチョウをこれでもかというくらい見ることができたのでよかった。
あとは国道41号をカッ飛ばして帰ってきた。
本日の出費
牛丼 469円
コメダ珈琲店 480円
お湯 113円 帰りも飲んだので2本も飲んでしまったよ。
本日のCB1300SFの走行距離 295キロ
累計のCB1300SFの走行距離 37340キロくらい
ー追記ー
文中で取り上げました慰霊碑の 天心白菊の塔 ですが、道路工事の関係で移転しているそうです。移転先は道の駅白川の向かいにあるよいいち美濃白川です。
「移転先の当初案は、白川町役場付近のグラウンド敷地内としていましたが、事故が発生した国道沿いでないことや、参拝しにくい場所であったことなどが懸念され、当時の天心白菊の塔設計者である左髙啓三氏と現地確認のうえ、よいいち美濃白川の敷地内といたしました。
移転先(よいいち美濃白川)は、穏やかな雰囲気の山と川を望み誰もが参拝しやすい場所であり、週末には多くの方々が立ち寄られる場所でもあることから、当時の事故を風化させることなく後世に伝えていく新たなシンボルとなることを願い移転しています。」
白川町公式サイト(https://www.town.shirakawa.lg.jp)より
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