梅雨の晴れ薄曇に漆の箸は奈良井宿
つい先日のことだが、晩ごはん食ってたらバキッと音がして何か硬いものを齧ったようだったので、晩ごはんに何か入ってたのかと思ってよくよく見たら箸の先っちょが折れてた。バキッと齧ったのは箸だった。なんということだ、歳を食うと反射神経が鈍くなるのか、たまたまボーッとしてたのか、たまたまタイミングが悪かったのか、ご飯の代わりに箸を食っちゃっては仕方がない。見事に折れてしまったので、左右の長さが違うから使い物にならない、いやそういう問題じゃないだろ、こういう時はアレだ、きっと箸が代わりに折れてくれたんだ、身代わりになってくれたんだよ、と実に都合のいい解釈をして、問題の鎮静化に努めるのであった。しかし、箸がなくてはおまんまの食い上げであるからして、困ったことになった。これは、やはり、買いに行くしかないでしょう。仕方がないなー困ったもんだなー箸を買うためだけに長野県まで行くのかー木曽御岳まで行くのかーめんどくさいなー奈良井宿の古い街並みの漆のお店までわざわざ行くのかー仕方がないなー。(編集部注;いや行く気満々だろ)ということで、週末、梅雨入りしたから全然期待してなかった週末、メルカリで買った西村寿行のバイオレンスアクション小説でも読んでまったりしようと思ってたのだが、いや、西村寿行だからバイオレンスアクションだから、まったりというよりビンビンになっちゃうんだけど、とにかくその予定を変更して、御岳奈良井宿まで全開バリバリすることにした。久しぶりの長野方面、国道19号線の帰りの渋滞がイヤで、最近走ってないのであるが、今日は一発、行ってやろうじゃないか。
で、当日は朝早く起きたら、まっちゃん特製ハニーチーズトーストプロデューテッドバイカスケードのパンイズンツイットを食って、実家新型ガレージから、4月以来の2ヶ月ぶりに旗艦CB1300SFライアン・ストーン号を引っ張り出す。バッテリーは新品に交換したばかりなので、バッテリーチャージャーでチェックするとバリバリ3点灯のレディセットいつでもオーライなのであった。そして空気圧は冬用に高めになっていたから、2ヶ月ほったらかしでもガッチリ規定以上に入ってた。規定ちょっと上に入れるのがポイントだよ。よっしゃ、セルを回せばキュキュどーーーん一発始動でHONDA最強が目覚めるのであった。うなるえく(以下略)
まずはガソリンを入れよう。いつものコスモ石油に行くと、給油機の前にCB1300SFを止めて、レギュラー満タン給油する。今日はリタ−154円割引後価格であります。安定の高価格水準なのであります。もはや98円なんて時代は都市伝説なのであります。なんせカップヌードルが200円の時代だよ、昭和の海水浴場の価格じゃん。そいういことで、もう驚くことなく、淡々と給油したら出発するのであった。
国道19号線を長野方面にカッ飛ばしていく。本日は梅雨の合間の晴れ予報で、夏日最高気温31度越えなので、当然、メッシュレザーの出番なのだが、このメッシュレザー諸刃の剣でもあるゆえ、朝の気温が低い、低いと言っても道路脇の電光掲示板温度表示は23度だけどな、ちょっとスースーするんだよ。それもまた一興と思い込んで、フルスロットルまで行かないけどそこそこフルスロットルみたいな感じのスピードでカッ飛んでいく。天気晴れと言ってたけど、薄く雲が覆っちゃって、なんだかテンション上がんないんだよな。だんだん晴れてきて青空が出てくるといいのだが、そして暑いクソ暑いぜとフーフーヒーヒー言いながら走るのが、真夏のライダーの醍醐味ってもんだよ。
多治見土岐瑞浪を経て恵那に入ると、コンビニの駐車場にはバイクが集結しているのがよくよく見られて、みんなこの暑さに雨後の筍の如く出てきよった湧いてきよったぜ、ライダーたちが。これぞ真夏の方程式、暑くなってきたらライダーが湧いてくるのである。もっと暑くなると減ってくるのである。アイスクリームの販売量と気温の関係と同じような話だな。
恵那のファミマで水分補給して、さらに先を進む。途中、前を走っている日産のハイウェイスター(これ絶対パープルマニアの企画室が決めたネーミングだよな)が、交差点で止まるたびに後ろに下がってきやがる。しっかりフットブレーキを踏めないならパーキングに入れるとかサイドかけるとかしやがれよ。そんな脚力もないなら車乗んな。あぶねえジジイの後ろからさっさと抜け出し手前に行くと、日産なんとかスター(こんな走りをするやつに栄光のパープルの名曲を名直る資格はねえ)をぶっちぎって見えなくしてやったぜ。ふっふっふ。でも次の信号で止まってたら追いつかれたけどな。
中津川を抜けて、馬籠妻籠街道を越え、道の駅をパスして、でかい橋を渡る。こうして長野県に入った。木曽川を渡り、読書発電所を横目に、さらに進むと石川島播磨重工の工場を横目に石材屋のOK手像を通過して、いよいよ寝覚めの床に至ると、そこからさらにぶっちぎりでかっ飛ばし、遂に御嶽の近くまでやってきた。木曽福島の道の駅に入った。
そこでちょっと休憩した。雲が多いので、どうしようかと迷った。ここから下呂高山方面に行くルートもあるけど、でもやっぱり初志貫徹なのであった。奈良井に行くことで最終合意を取り付け、再び国道19号線を北上する。
オラオラオラー気合だ気合だ気合だーなどと奮発するほどもなく、意外にあっさりと鳥居峠トンネルを潜って、道の駅奈良井まで来ちゃった。あれ、意外に木曽福島からすぐだったんだなー。まあいいや、着いたんならいいや。いやこれは高山ルートと比較するもんじゃないだろ。どんな脳内ナビだよ。
道の駅の第2駐車場にCB1300SFを止めると、そこから歩いて奈良井宿の古い街並みを歩いていく。まだ早い時間なのに、もう観光客がいっぱいだ。でもまだお店は半分以上開店前だぞ。気の早いお店、団子屋さんとかやってるところは千客万来の商売繁盛になってた。さて、こちらは開いてる漆の店を巡って箸を探すんだが、結局、この前買ったところのお店に行き着いてしまった。が、しかし、本漆、木曽漆というのか、本数が大変に少なくなっちゃってるんだが、どうなってるんだ。職人さんが減っちゃてるのかな。いや、店頭に箸はいっぱい並んでるけど、木曽の箸なのか、近隣諸国生産の箸なのかよくわからん。ちゃんと「木曽の箸」「本漆」の表示があるところから選んで、一番シンプルでカッコイイデザインのを買った。これでミッションコンプリーツである。帰るぞ。
奈良井宿を後にして、お楽しみのお昼ご飯をどうするべえと思いつつ、走っていくのだが、やはり蕎麦を食うべきかと思いながらも、道に蕎麦屋は全店すでに行列ができているのであった。なんということだ。まあいいや、正直、以前よりも蕎麦熱冷めちゃったもんな。最近蕎麦高いしさ。もういいよ、コンビニでなんか食って帰ろう。大桑村セブンイレブンでおにぎりを買って食った。
あとはスイスイーっと走って帰ってきた。心配された土岐の大型ショッピングモールの渋滞もなかった。
晩飯は新しい箸で食った。
本日の出費
伊右衛門 138円
おーいお茶とおにぎり 434円
本日のCB1300SFの走行距離 270キロくらい
累計のCB1300SFの走行距離 38570キロくらい
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