郡上八幡の喫茶はタイムスリップ擬似体験
スマホの登場で情報収集の手段が一変したんだけど、供給側にとってもそれは同じで、スマホでいかに効率よく、自社の都合のいい情報を消費者に提供できるか、と考えた時に専用アプリは実に効率が良いわけで、各社いろいろアプリを開発して、あの手この手でダウンロードしてくださいとアピールし、一旦アプリに入り込めば情報を送り込み放題なので、消費者もその情報についつい釣られて散財してしまうので困ったものなんですよと言いたいところなんだけど、そんなアプリも優劣さまざまで、アプリストアの評価なんぞみると酷い点数でレビューにはボロクソ書いているのもあれば、実に便利で重宝してますとサクラじゃないのかと思えるくらい調子の大ことが書いてあったりして、それでもそれを参考にしつつ、自分のスマホにダウンロードするのだが、そんなアプリの中でユニクロに行ったときに、調子に乗ってダウンロードしてしまったんで、暇な時に見たら、自社アパレル製品の広告がガンガン入ってる他に、ゲームをすると割引クーポンがゲットできるコーナーがあったんで、試しにやったら結構面白いので、ちょっとのめり込んじゃって毎日やってたら、5000円で500円割引のクーポン券がもらえて、おお、これは素晴らしいじゃないか、スマホにダウンロードした甲斐があったと言うものだ、などと鼻の穴を膨らませてご満悦になっておりまして、そんなおりに、まっちゃんがユニクロ行こうと言うので、これは欲しかったあのアウターが買えるかもしれん、などと下心丸出して二つ返事承りまして行ったんだけど、果たして、セール中のユニクロではその欲しかったアウターが、防風防水のアウトドア向けのカッコいいのが安くなってたので、まっちゃんに「これ欲しい」「なにこれただのヤッケじゃん」「でも欲しい」「うっそーヤッケなのにこんなに高いじゃん」「でも欲しいもん」そしてクーポン券があると言ったら、クーポン券好きなまっちゃんはそれならいいよーと賛成してくれたので買ったんだけど、これに味をしめ、またしてゲームをやってクーポン券をゲットして、またしてもまっちゃんにユニクロ行こうと言われて、調子こいて下心丸出して行ったんだけど、今度は欲しいパンツが見切り処分価格になっちゃってたもんで、5000円以上にならないと使えないクーポンが使えないので、なんだかすごく損した気分になっちゃって、じゃあ、せっかくクーポン券があるから、これも買ってこれも買って、と5000円以上にしてクーポン券を使ってお得に買い物をしたのだが、よく考えたら余計な買い物したってことで、完全にユニクロの思う壺じゃん、くっそー、してやられたぞ。どうしてくれよう。そうだ、ツーリングに行こう。と言うことでツーリングに行くことにした。
なんともう12月なんだよ。びっくりしたよ。鳴り物入りで始まった2020年も、あと1ヶ月切ってしまったよ。思い残す事がないように走らねばならん。しかし、寒さも急速に厳しくなる時期、行き先の選択肢は限られてくるのだが、某金券があるのでそれを行使すべく、岐阜県領域の良さげなところに行くことにして、使える店を探したけどよくわからんので行って考えることにしよう。で、当日朝早めに起きていろいろやることやって、朝食にはまっちゃん特製高級ホテル厚切りトーストとキリングネーム風ポテトを食ったら、ほぼ防寒冬装備で実家新型ガレージに駆けつけると、前回出撃から2ヶ月ぶりくらいになるCBR600RR/ABSを引っ張り出して、セルを回したらエンジン1発始動! この日に備えてバッテリーチャージャーでバッテリーをチャージしておいたからな。やはり備えあれば憂いなしなのである。暖気を済ませたら出発する。
まずはガソリンである。いつものコスモ石油に行くのだが、防寒装備のネックウオーマーのせいで呼吸をすると排気が下に抜けずに逆流するもんでシールドもメガネも曇りまくって何にも見えんぞニャロメ。ネックウォーマーの位置の調整をして、呼吸の排気ができやすくしたら、なんとか多少改善されたので、その状態でコスモ石油になだれ込む。そして、給油機の前でCBR600RRを止めて、給油しようと思ったら、反対側にガテン系の原型がよくわからんビグスクが止まって、同じように給油を始めた。なんだと、このHONDA最強マシーンがピットインで、こんな訳のわからんビクスクに負けてたまるかよ。速攻でスマホとカードを出して、いつものルーチン、メール会員割引パスワードを入力してコスモカードを挿入してDポイントカードを挿入してスマホの割引コードを読み込ませてもう一回読み込ませて、よしこれで給油開始だ! と思ったら、ビクスクはすでに給油を終了して、さっさと発進、行ってしまった。見えなくなった。ふっ見え(以下略)
給油も済んだので19号線を横切って犬山方面に走っていく。桃花台を抜けて名鉄の楽田駅の踏切を越えて五郎丸方面に走っていく。日曜日のこの時間なのでガラガラだな。ちょうど太陽が昇り始めている朝のマジカルアワーでいい雰囲気の中、エナジーサポートアリーナを横目に田んぼの中を走って国道41号線に出た。余談だけどさ、エナジーサポートアリーナって、あれは要するに企業の名前スポンサー制度だったんだね。ずーっとエナジーサポートっていう会社の工場か倉庫だと思ってたよアホだよな。
国道41号線に出たら、寒いので制限速度+ピー(自主規制)くらいの巡航速度で走っていく。道路脇の電光掲示板温度表示が1度とか2度なんで、これはやばいなーめっちゃ寒いじゃん、これじゃあ郡上八幡まで行けんじゃないか。郡上八幡のオサレカフェに行く予定だったのに、これでは行けんかもしれんなー、まあいいか、行けるとこまで行こうか。順調に41号を走って中濃大橋を越えてかっ飛んでいくと、BMWがブイブイ言わしてきたので、挑戦なら受けてたるぜ! と思ったんだけど、BMWは高山方面に行って、こっちは坂祝方面に行ったので、見えなくなって以下略。
それからいつものコースで関市の街中を走り、道の駅美濃までやってきた。美濃にわか茶屋は最近の集団バイク軍団が、いや、集団じゃないバイク軍団ってのはないからマスツーリングの一団が集まっている事が多いので、ウザいから通過するようにしてたけど、流石にこの時期、この寒さでミーハーなライダーが減ってるんじゃないかと思って寄ってみた。そしたらやっぱり少ない台数しか止まっていなかった。トイレしてバイクに戻ったら、隣にブロスが止まってたので、思わず、うおーっと叫んでしまった。一時期は本気で欲しかったバイクだもんな。当時の最新技術を惜しげもなく注ぎ込んで、なおかつ大人なデザインで、行ってみれば羊の皮を被った狼路線のバイク、玄人向けのバイクですよ。ライダーさんとしばし談笑した。そして道の駅を後にして、さらに国道156号線を北上していく。
順調に走って、想定内の気温で思ったほど寒くなく、路面もドライで凍結注意の看板が乱立してたけど、なんともなく予定の時間に郡上八幡までやってきた。目的地のオサレカフェに向かう。毎回、この郡上八幡に来るたびに前を通り過ぎていたオサレカフェなんで、道に迷う事なくやってきた。
営業時間もしっかり調べてきたから、バッチリ大丈夫なはずだ。間違いなく、ダイジョーブなはずだ、ダイジョーブな…店に着いて前にバイクを止めると、中を見たら様子が変だ。電気がついていない。おかしい、もう開店しているはずなのに、なぜだなぜなんだ。入り口らしいところに掲示物があって、営業時間が書かれていた。11時からだった。それまでまだ何時間もあった。どうやらガセネタをつかまされたらしい。これだからピー(自主規制)は信用できないんだよくそ。ふっ、だが、こんなことは想定内さ。こうなるんじゃないかと思って作戦Bも考えているのさ。スマホのマップで場所を再確認する。作戦Bのカフェはなんかわかりにくいところにあるので、絶対に道に迷う自信があったもんね。もっとも単純なルートを頭に叩き込んで移動開始、細い道をウネウネ走って、いい感じのお店ら寺院やら立ち並ぶ路地を走っていくと、目的の珈琲店の看板があった。
そこを曲がるとどん詰まりだったが、駐車場らしきところに、また看板があったので、とりあえずそこにバイクを止めて辺りを探した。でも珈琲店らしい建物がなかったので、首を捻ってたら、駐車場に止めれれている車の後ろに隠れて、また珈琲店の看板があって、その先にあるようだ。いや待てそれはただの民家じゃん。ほんとにここにあるのか? 恐る恐る中に入って行ったら、ただの普通の民家が珈琲店だった。恐る恐るまさしくふつーの家の玄関のような引き戸を開けて中に入ったら、テーブルが4席あって満席だった。奥の方で怪しげな主人が珈琲を淹れてた。カウンターにどうぞと言われて、狭い店内のカウンターというよりコーナーに余りの部分みたいなところに座った。で、改めて店内を見回すと、これはまた凄まじいくらいな異世界であった。
昭和にタイムスリップしたような柱時計、至る所に柱時計、古時計の柱時計があますところなくかけられ、しかも驚くなかれそのほとんどの古時計が現役であった。故に、店内には振り子時計特有のカッチカッチカッチカッチという音が店内に静かに静かに鳴り響いているのだった。コーヒーとモーニングを注文して待つ。しばらくこの異世界の空気に沈没していたら、モーニングとコーヒーがやってきた。
コーヒーは苦味の効いた味でいかにもコーヒーだった。モーニングもうまかった。食ってる最中に時間が来た。一気に各種古時計が時間を知らせる。何十台もある振り子時計の柱時計が一気に鳴るのは、あたかも、名実ともにオールタイムベストSFに選出される最高傑作バックトゥザフューチャーの冒頭、ドクター・エメット・ラスロップ・ブラウンの屋敷の時計実験シーンだった。私の時計か? ピッタリ遅らせることに成功した! っていうシーンね。ここ気に入ったのでまた来よう。
満足して店を出たら、CBR600RRに戻って出発する。一気に郡上八幡城下町から離脱し国道に出ると、美濃法面に南下していく。異世界の珈琲店はサイコーだったが、今回のツーリングの目的である某金券を使ってないので、某金券が確実に使えるところへ行くぞ。確実に使えるのは、今や日本中に拡散した珈琲店ブランドのコメダ珈琲店だ。近直の店は関市にあるのでそこまで戻った。そして店の前にバイクを止めて店に入った。モーニング時間以外に入ったのは何十年ぶりの久しぶりだな。どんなメニューがあるか、事前に調べてあるので、それを注文するのさ。最近新しく始まったメニューのスパゲッティさ。喫茶店の王道メニュー、ナポリタンスバゲティだ。が、メニュー表を見てビックリ、なんと飲み物代+770円だと。ということはコーヒーだと430円だから合計1200円じゃん。たかっ。しかし、某金券を使うために来たんだ。ここでビビっていたらダメなんだ。逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ。注文を取りに来た玉城ティナみたいな子に「これ、ナポリタンをくれ」とハードボイルドに決めて言った。ヤバいぜ、カッコ良すぎて玉城ティナは、ポッ、私恋してしまいそう、ってなっちまうぜ、と思ったんだが、まさしく極主夫道の玉城ティナみたいに全く動じないて「ハイ」と注文受けてサッサといっちゃった。
しばらくしてやってきたのがナポリタンスパゲティであるが、コメダ珈琲店の食い物はどれもボリュームが侮れんなどと言われているので期待したのに、どうにもこんもりしたスパゲティだったんで、ちょっとガッカリした。で、とりあえず野菜から食うのが順番なので野菜を食ってからスパゲッティを食おうと思って、野菜の空き地にスパゲティを広げたら、なんかどんどん量が増えてくるんですけどなんですかこれおかしいですよねなんでぞうしょくするんですかイエローマジックオーケストラですかマルティプライズですか名盤ですか、しかもなんていう太い麺なんだまるでごんぶとじゃないか食ったらケチャップの濃い味がたまらん付け添えのパンがまたうまいのでケチャップつけて食ってよしそのまま食ってよしこれがコメダ珈琲店か恐るべし。
すっかり満足したので某金券で快く支払ったら、お店を出てCBR600RRに跨ったら一気に家に帰った。
本日の出費
異世界のコーヒー 400円
増殖するスパ 1200円
本日のCBR600RRの走行距離 160キロくらいかな
累計のCBR600RRの走行距離 28830キロくらいかな
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