漏水路面トンネル潜って徳山ダムの強風
賢明なるサイト訪問者諸君、アンリ・シャルパンティエの名を聞いたことがあるだろうか。アンリ・シャルパンティエ ”Henri Charpentier”はフランスの料理人で、クレープを考案したことで有名だ。クレープといっても、関の刃物祭りでやさぐれてるけど妙に色っぽくて美人な姉さんが、テントで作り売りしてる薄いホットケーキ生地に生クリームとフルーツを入れて巻いたのとはちょっと違うぞ。なんせスイーツの本場、フレンチのクレープだから、生地をお皿に敷いて、そこへフルーツの盛り合わせを並べてお酒を垂らしてほにゃらららなオサレな食いもんだ。マッダーッム、セッヴォーン、シルブブプレエーな食いもんなんである。実のところは、本当にアンリさんが考案したかどうかわからんらしいだけどな。こういう話は「そういう説もあります」という話なんだな。たとえば、ヘンタイライダーの語源は、かつてアクセス数の少ないしょぼいサイトを運営してたUターンできないライダーが、誰にも相手にされないので、なんとか相手にしてもらおうとして考え出した言葉である、と有名なサイトで発信したら、そのうちに本当になるようなもんだ。ちなみに、このサイトから発信しても全然ダメだけど。あ、話がそれた。で、そのアンリ・シャルパンティエの名前を冠した洋菓子店があるのだ。元は喫茶店だったらしいけどな。喫茶店でスイーツを提供し始めたのが、創業者らしい。その創業者が、アンリ・シャルパンティエのクレープに感動して、菓子屋の名前にしたそうだ。そのクレープが大ヒットしてアンリ・シャルパンティエは洋菓子屋として日本では知れ渡ることになった。さて、ここからが本題である。そのアンリ・シャルパンティエの焼き菓子との出会いが衝撃的すぎて、ここで語ることはできないくらい衝撃的で、あ、いや本題を語ることができないって意味わからんな。えーっと、なんだ、当時、まだ名古屋に進出して間もない高島屋さんで、まっちゃんがお土産にそこの焼き菓子詰合を買ってきてくれたんだよ。それを食ったらその瞬間から記憶が飛んでて、「何やってるのしっかりして!」と揺さぶられながら言われて気がついたら、クッキーの詰め合わせが半分くらい無くなってた。あまりのおいしさに食いまくっちゃったんだな。イドが暴走しちゃったんだ。イドってのはアレだ、SF映画史上、語るのを避けることのできない名作「禁断の惑星」でラスボスとして登場する怪物のことで、フロイト的心理学で言うところの、無意識下で衝動的に快楽を求めようとする行動制御領域のことだ。要するに、それが暴走するくらいおいしかったってことだ。が、しかし、天下の高島屋さんで売ってるくらいなんだから、おいそれと食うことができるものではなかった。ああ、あのおいしさをもう一度味わうことができたら、と夢見てたところに、まっちゃんがお友達の女子会で名古屋へ行ったので、買ってきてくれた。おお、素晴らしいなんと素晴らしい、ああ素晴らしいなんと素晴らしい。よし今度は冷静に一個づつ味わって食べるのだ。週末まで待ってから食べるのだ。週末にモンカフェを淹れながら食べるのだ。などと考えてたんだけど、気がついたら半分くらいなくなってた。次の日に気がついたら、もう空箱になってた。残ったのは、イドに刻まれた果てしなくうまかった幸福感だけなのであった。ああ、またやっちゃったよ。どうしてくれよう。そうだツーリングにいこう! と言うことで、ツーリングに行くことにした。
さて、梅雨入りした地域もあるくらいなので、天候は極めて良くない日々が続いていた。晴れてても突然豪雨とかね。そんなヤキモキする気象情報をチェックしながら迎えた週末、なんとか出かけられそうなので、目的地を吟味した上で出撃するのだ。当日はまっちゃん特製のコロッケマフィン・オ・アラ・へ・カニカマを食って、最高気温予想30度なので、やはりメッシュをチョイスして、実家新型ガレージから、バッテリー充電完了のHONDA最強CBR600RRジョン・カーター号を引っ張り出すと、エンジン一発始動! 目覚めるHONDA(編集部注;以下、いつもと同じなので略させていただきます)えー、なんでー、ここがいいところなんじゃん。
まずはガソリンだ。いつものコスモ石油に行くと、ハイオク満タンに給油した。前回は遠征で長距離を走ってたので、リッター20キロ以上走ってた。気になるハイオク価格は通常価格170円からメール割引カード割引で4円引き166円だ。ここにきてなんとか価格高騰に歯止めをかけてる感じがヒシヒシ伝わってくるよな。しかし、もうちょっと安くならんもんかな。全国的にあらゆるものが価格高騰してる昨今、石油の価格を下げれば色々なものに好影響があると思うんだけど、こう言うのは素人考えなのだろうか。ガソリンは半分以上税金らしいから、その税金、ちょっと下げるだけでいいんだけどさ。ダメなんですかねえ、どうなんですかねえ、池田信夫先生。
満タンにしたので出発する。国道19号線を横断して、小牧方面に向かう。今日の目的地は、徳山ダムである。久しく行ってないなーとなんとなく思いついて、天気分布予報と照らし合わせて、多分、雨になることはないんじゃないかなーと思えるから選んだ。で、懲りもしないでGoogleマップのルート検索かけたら揖斐川堤防を走るルートが最短と出たので、採用した。徳山ダムまで、これまで走ってた国道21号線ルートでは新鮮味がないので、新たなルート開拓のためにGoogleマップを活用しよう。ただし、算出された時間はアテにならん。そこは要注意だ。距離が89キロと出てたので、約3時間と考える。ちなみにGoogle先生は2時間4分と算出してたけどな。休憩とか道に迷ったりとかするからな。
国道155号線バイパスを走っていく。日曜の早朝、道はガラガラで快調に走っていく。天気は快晴で心配ない。気温もちょうどいいのでメッシュでも寒くない。梅雨の合間の晴れ間を、貴重な晴れ間を有効に活用するツーリングになりそうだ。バイク乗りはみんな同じこと考えてるから、そのうち雨後の筍みたいにうじゃうじゃ出てくるぞー、などと思いながら走ってて、一宮までやってきた。そこから県道18号線を進んでいったら、ドンキホーテの次にナップスが現れた。ああ、こんなところにナップスができてたんだ。忘れてた。今度、寄ってみよう。今日は通過する。まだ営業時間前だしな。あ、そうだ、帰りに時間があったら寄ってみよう。帰りとか言ってると必ず忘れるけどな。
さらに進んで、木曽川を越えてセブンイレブンがあったので休憩に入った。実は最近、水分補給の重要性を認識しまして、ちゃんと水分を取るようにしなきゃいかんなあと痛感したのであります。そこで1時間あたり1回は停車して水分を取ることにしたのだ。セブンイレブンで水を買おう。駐車場にCBR600RRを止めたら、隣はポルシェだった。それも現行モデルの718だった。ぱっと見で金持ちとわかる感じの人が乗ってた。ボワワアーンとエンジンが始動して、ゆっくりと発進した。すげー音だなあーと思いつつ見てたら、その時、ふと思い出したんだよ、フェラーリやらランボルギーニだけでなく、ポルシェも最低地上高が低いから、段差で擦るらしい。だから車止めは要注意で、コンビニの出入りの段差にも気を使う、と乗ってる人のブログに書いてあったもんで、本当にそうなのかなあと思いつつ、見てたら、本当に慎重にゆっくりと道路と歩道の段差を越えて、県道に出たらようやくスピードを上げて走っていった。うーむ、スーパーカーに乗るのは大変なんだなあ。やっぱり買うのやめようと思った。思うんかい。っていうか、買えるんかい。一番安いモデルで768万円也。諦めてセブンでいろはす108円買って飲むことにした。よく冷えてたのでゆっくり飲んだ。あまり冷えてるのを飲むと胃腸がびっくりするからな。
セブンイレブンを出て、そろそろ雨後の筍のようにライダーが出てきた中、長良川を越えてると、ソーラーアークがその巨大な姿を表した。サンヨーなき後、パナソニックで生き延びたこのバブルの象徴のような建物は、しかし、かつてのような未来を予感させることもなく、今や化石のような代物扱いだよな。後ろにあった工場群も、今や取り壊されて更地になってた。この建物も、いつまであるのか。
そこからさらに走ると揖斐川を越える橋を渡って、いよいよ、Googleマップのルートに突入する。揖斐川の堤防を走る。スッゲー解放感溢れる道じゃんサイコーじゃん。天気も良い青空広い山の稜線がハッキリ見える。左に街を見下ろし右に揖斐川の流れを見下ろし、これは、サイコー。サイコーじゃん。やばいやばすぎる。うほほほーい。ああ、なんという貧困なボキャブラリーなのであろうか、こんな日本語力でツーレポ書いてていいんでしょうか、宮口幸治先生。
揖斐川に沿ってひたすら快走して、やがて国道417号線に至る。そこから国道303号線に入って、徳山ダム31キロの看板を発見し、かなりショートカットしてきた実感が湧いてきた。あとはこの国道をひたすら走っていけば、目的地の徳山ダムまで行けるのだ。一気に徳山ダムまで行っちゃうよ、イケイケ行っちゃう行っちゃう。しかしそこではたと気がついたのであった。いかん、これだからいつも水分補給を忘れてしまうのだ。もうすぐ1時間経過するので、そろそろ水分補給の時間ではないか。ここは冷静にコンビニに入ることにしよう。ローソンしかなかったので仕方がないけどローソンに入った。が、しかし、店に入って水を探して買おうとしてはたと気がついたのであった。もう飲めんわ。もう500mlも飲めんわ。腹チャッポンチャッポン。だいたい1時間ごとに500mlも飲めるわけねーじゃん、アホか。もうやめファッキンやめ。コーヒーでも飲むことにしよう。コーヒーを買って飲んだ。これも一応水分補給なのだろうか。
飲んだら今度こそ徳山ダムまで一気に走る。一気に高度を上げていく。ガンガンに飛ばして走っていくと、トンネルが現れた。トンネルは要注意だ。特に、昨日まで結構な雨が降ってたから、ひょっとしたら路面がまだ濡れてるかもしれん、あるいは漏水で路面が濡れてるかもしれん、となるとバイクが汚れるのでごめん被りたい。がしかし、速度を落として突入したトンネルは、コンクリの路面でほぼ乾いていた。これは素晴らしい。さすがお金をかけて造られた徳山ダム、ダムまでの道路もお金がかかってるよ。コンクリの道はコストがかかるから敬遠されてるんだよね。それも昔の話なのか。今は低価格でできるようになったとか。まあいいや。とにかく、乾いてるのならいいや、ゴーゴーイケイケ。どんどん走っていくと、いよいよ、西美濃方面のライダーが集結する道の駅藤橋までやってきた。すでにバイクが全校朝礼みたいに集結してた。ここは一旦通過して、とにかく徳山ダムまで行くぜ。ガンガン行くぜ。誰にもオレを止められないぜ〜天気サイコー気温もバッチリ山もキレイによく見える、くねくね山道のタイトコーナーをフレディーのようにガードナーのようにヒラヒラと走り抜ける(つもり)ブイブイに膝を擦りまくりステップで火花を散らしながら走り抜ける(つもり)やがて、藤橋城まで来たので、これくらいは見ておこうと思ってそっちに行った。で、駐車場にCBR600RRを止めて、城がどっちか探したけど見当たらなかったので、カッパの写真を撮って再び走り出した。走り出したら城が現れた。なんだと。しまった。しかしもう止まれないのであった。そのまま突っ切って、徳山ダム一直線!
しかし、ここで悪夢のような事態に遭遇することになる。城を越えて次に入ったトンネル、その名も池太沢夜叉隧道! 怪談のタイトルかよ。そのトンネルに入った途端、路面が水浸しだったのだ! まさかの展開、ここまで全然大丈夫だったのに、このトンネルだけなんで水浸しんなんだよクソ。ファッキントンネル野郎のせいでオレ様の美しいCBR600RRに泥水があああああーーーーー。うああああああーーーーーぎゃああああああーーーーーーひえええええーーーーーーー。徳山ダムに着いたら、速攻で被害状況をチェックしたが、もはや惨憺たる状態であった。被害はリアシートにまで及んでいた。跳ねた泥水がリアシートまで飛んでた。アンダーカウルも言わずもなが、リアタイヤから後ろのアレなんだっけ、フェンダーか、あれももうドロドロ水がああああああー。もうイヤになったもう帰るすぐ帰る。帰って洗車する。もう帰ろすぐ帰ろ。とにかく、一応、徳山ダムまで来た証拠写真だけ撮った。
山の中とは思えん、海岸みたいなものすごい強風で、ゆっくりする気にもならんし、速攻で引き返す。再び悪夢の夜叉トンネルを抜けて、道の駅藤橋まで戻ってきた。とりあえず、一旦そこに入る。
ここで冷静に事態を分析しよう。客観的に物事を見ないと。まずはとにかく、帰るとしてもだ、なんか食っておかんと帰りにお腹が空いて色々な事態に対応できないこともあるので、まず何か食うことにしよう。道の駅藤橋といえば、やはりダムカレーでしょう。よしそうしよう。レストランに行ったら、まだランチの時間ではなかった。なんということだ。待ってたらいいのかもしれんかど、駐車場を見てたら、雨後の筍の如くバイクがじゃんじゃん集結してきてるので、なんかちょっと居づらいというか、ちょっとなんだか、居心地悪くなってきたので、とりあえず離脱することにした。CBR600RRに戻って、引っ張って、またがって、エンジン始動して、出発する。やべーなんかみんなが見てる気がするよ、デラキンチョーするよーエンストしたらどうしよう、ヤバいヤバいよ、あいつエンストしてるやんへったピー、へたっぴーがCBR600RRなんてのってんじゃねーよーとか思わるよーだからバイクが集結してるところは嫌なんだよー幸いなんとかエンストしないで発進できたので、一目散に逃げ出した。全く、注目される最強CBR600RRに乗ってるとこういう時に困るよ(編集部注;誰も見てません)
無事に道の駅を脱出したので、あとはなんとか食いもんにありつければいいのだが、そこで奥の手を使うことにしたよ。実はコメダ珈琲店のギフト券をまっちゃんにもらったのだ。これを使おう。最後の切り札なので、大事にとってたら有効期限がギリギリになっちゃてるしな。いやー貧乏性はこういう時にダメだね。ということで、路肩にバイクを止めてスマホでコメダ珈琲店を探したら、意外に近くにあったので行ってみた。モーニングの終わり時間に近かったので、駐車場もちょっと空いてたのですぐに止めることができた。
店に入って、席に着いた。幸いなことに全席禁煙のお店だった。たまに喫煙可のコメダ珈琲店があるけど、諸事情により禁煙にできない店もあるからなあ、お客の大半がサラリーマン営業マンだったらやっぱりタバコ吸う人がまだまだ多いだろうからな。ここはそうでもないらしい。すぐに可愛い店員さんがお冷を持ってきたので、モーニングに小倉トーストを注文した。それからメニューを見て、追加注文を考える。色々悩んだけど、結局、たまごトーストサンドにした。これが一番コスパ良さそうだもんね。で、コーヒーとモーニングを持ってきた店員さんに追加で注文した。実はコメダ珈琲店、久しぶりなんだよなー、この世間を騒がしてる値上げラッシュの後に入ったの初めてで、価格改定480円になってたのがビックリですよ。注文の方法も変わってたしな。しかし、ここまで高くなると考えもんだな。おいそれと入れないなーなどと考えながら小倉トーストを食った。味は変わってなかったのでよかった。食い終わったくらいにたまごトーストサンドがきたので、続けて食った。しかし、この値上げラッシュにもかかわらず、ボリュームはちっとも減ってなかった。食ってる最中にたまごの崩落事故が何度も発生するのだった。原材料が高騰してんだから、たまごの量を少し減らしてもいいんじゃんと思うのだが、そういうところ妥協しないねえ、コメダ珈琲店。
食ったらお腹パツンパツンになっちゃったよ。ああ、食い過ぎたよ。やっぱり一人で食うもんじゃねえな。取り分けサイズだよな。どう考えても、取り分けサイズだよな。もう一人で注文しないようにしよう。なんか毎回言ってる気もするが。満腹感で唸りながら、レジに移動する。スマホでギフト券を見せると、レジの可愛い店員さんが、スタンプを取り出して、スマホに表示されてるギフト券の空欄に、えいやっと押した。何してんだ、スマホにスタンプって意味わかんねーと思ってたら、マジでスタンプが押された。
マジで押された。
何言ってるかわかんねーだろうけど、マジで押された。なんということだ、なんというこのデジタルなシステムにアナログな操作。なんというセンスオブワンダー。今日一番の感動だった。感動というか、なんというか、やっぱりボキャブラリーが貧困だった。
あとは来た道と同じ、揖斐川堤防をかっ飛ばして、途中でポカリで水分補給して帰ってきた。
帰って洗車した。
本日の出費
いろはす 108円
コーヒー 100円
コメダ珈琲店 1090円(1000円ギフト券使用)
ポカリスエット 140円
本日のCBR600RRの走行距離 200キロくらい
累計のCBR600RRの走行距離 32300キロくらい
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