4万キロ突破記念ツーリングは伊勢

年が明けたと思ったら、あっという間に2月も末になってた。2月は本年最大にプロジェクトがあって。何を隠そう、テイラー・スウィフトの東京ドームツアーに参戦してきたのだ。それはもう素晴らしい出来で、素晴らしい素晴らしい、誰がなんと言おうと素晴らしい、素晴らしいったらありゃしない、あーこりゃこりゃ、なのだった。とにかく終わってからも夢心地、こんな経験は劇場版銀河鉄道999を見た時と、初めてディスニーランドに行った時以来で、というか、もはや感受性のかけらも擦り切れて無くなってしまった歳になったにも関わらず、こんなピュアな感動をもたらすことになるとは思いもしないのだったよ。ラストの曲では感極まって泣いちゃったもんな。だから、今でもその曲を聴くと、あの時の感動が甦ってきて夢心地なので、大変危険なのだった。そんなわけで、こんなコンセントレーションが乱れまくっている時に、バイクなんぞ乗ったら事故るとも限らんので、平常心を取り戻すまでちょっと自粛してたんだけど、いや、その、他にも色々あったもんで、こんなに間があいちゃったんだけど、前回の出撃から1ヶ月半が経過しているのだった。走ってナンボのライダーがこれでいいのか、特に、今は大事な時期なのである。旗艦CB1300SFライアン・ストーン号が、遂に4万キロを突破しようとしていうこの時期に、いつどこで突破させるのか、記念すべき4万越えを迎えるのはどこにすべきなのか、近所ではカッコつかないじゃん。先代のCB1300SF スーパーブラックパール号は10年で7万キロ走った。その先代CB1000SFサムス・アラン号は4万1千キロ走った。そのさらに先代のCBR750ガンヘッド号は2万8千キロ走った。そして、現行のCB1300SFが10年で4万走れば、歴代の旗艦として、恥ずかしくない記録と言えるだろう。ましてや、諸事情で過去3年間夏のロングツーリングに行ってないにも関わらず、複数所有という身の程知らずなことをしていることを考えても、10年で4万走れば大したものだ。自分で自分のバイクを褒めてあげたい。それには39999キロではダメなのである。40001出ないとダメなのである。99.9999%でも未達なのだ。負け組なのだ。100.0001%でも達成なのだ。勝ち組なのだ。だから、この2月末までに4万越えを成し遂げたい。そんな思いが通したのか、雨続きの今週、土曜日だけ晴れになった。まっちゃんも行ってこやーと言ってくれるんで、これは行くしかないでしょう。行き先は色々迷ったのだが、4万キロ突破にふさわしいところは、この時期では伊勢しかない。往復300キロ走れるのは伊勢しかない。でも時短するために高速を使わなきゃいかんので、どうしようゴニョゴニョ言ってたら、まっちゃんが「何ゴニョゴニョ言ってるの! 初志貫徹でしょ!」と叱咤激励をいただいたので、無念無想で伊勢を目指すことにした。

といことで当日は朝早くに起きたら、いろいろとやるべきことをやって、まっちゃん特製クラッシュエッグトースト5枚切りを食ったら、寒の戻りに対応すべく、完全冬装備でバッチリ決めたら実家ガレージより、1月14日以来の出撃となるCB1300SFライアン・ストーン号を引っ張り出し、エンジン一発始動で栄光の4万キロ突破へ突き進むのだ。(どうせ以下略になるので、ノーガキは無しだぜ、オレってあったまいいー)

まずはガソリンを入れる。いつものコスモ石油に行くと、レギュラー満タンに入れた。割引後価格で160円、180キロ走って10リットル入ったので、リッター20キロ走ってないんだけど、ご近所走りだから仕方がないね。しっかり満タンにしたら、目指すは伊勢神宮、いざ、出陣である。

国道19号線を名古屋方面に向かうと、環状2号線の名二環勝川インターから、時短走法の有料道路に入った。はっきり言ってめちゃくちゃに寒いのである。道路脇電光掲示板温度表示は3度で、先週の夏日は何だったのか、全くもって異常気象で世も末だな。今日も朝は冷えるが、日中はそこそこ気温が上がるので、温度差10度以上、今や当たり前になってきた驚きもせんわ。

名二環をそれなりの速度で走っていく。有料道路のいいところは、信号がない事なのだが、逆を言えば止まることがないので、この極寒ツーリングの風物詩、エンジンで暖をとるライダーができないのが困った。なんせ体は21世紀のライディングギア、電熱ベストであったかいのだが、指先は凍りつきそうなのである。しかし、この旗艦CB1300SFには最終兵器グリップヒーターがある。これはバッテリーの寿命を極度に縮める諸刃の剣だが、効果は絶大だ。正月ツーリングの時みたいに、高速道路1時間1本勝負なら、気合いで乗り切ることもできるが、今回は伊勢神宮まで高速道2時間余り、どう考えても気合いでは無理である。どこぞのブラック企業みたいなことを言ってるのは前近代的なので、仕方がない、グリップヒーターを稼働させよう。スイッチオン、じわじわ暖かくなってきて、何とか乗り切れそうだぜ。

さて、この先が今回の難関なのだが、実は、名二環から東名阪への乗り換えがどうもよくわからなくなっちゃってるんだよな。昔々、まだ名二環と言われてなかった頃は、ひたすら真っ直ぐ走っていけば、突き当たりで2つに分かれるので、右のルートを進めば、何も考えんでも東名阪に入れたのだが、ある時、何年振りか久しぶりに走ったら、そのままどんどん真っ直ぐ進んで、飛島まで行っちゃった。なんと、名二環は拡張されてどんどんルートが広がっていたのだった。で、その日以来、どこをどう曲がれば、東名阪に行けるのか、謎が謎を呼び、迷宮に入り込んでしまったのだ。一度は大治南インターで降りてしまって、下道に降りちゃった。そんで、再び名古屋西インターで東名阪に乗るという、何とも意味のないことをしてしまった。で、今回は、Googleマップで、ストリートビューを確認して、いろいろ調べて、どうやら大治南インターの先に、東名阪に通じる道があるようだ。よし、ここだここに違いない。一か八か、この大治南インターの次を狙うぞ。ということで、現地までやってきて、いざとなったらビビって、やっぱり間違えてるかもしれないから大治南で降りちゃった方が安全じゃないか、またしても飛島まで行っちゃったら大変な時間ロスだぞ。などと思ったんだけど、そういうところがダメなんだよ、ここはビシッと決めようぜ。そして近づいてくる大治南インター、ここは通過だ通過するぞう! 心を鬼にして通過して、やっちまった、これでもう後戻りはできないぜ。この先に東名阪の入り口がなければ、オレはおしまいだあああああーーーーしかし、その先に見えてきたのは、もう一つのインターであった。あった、あったぞ! あれが東名阪の入り口だ! 誰もがないと言ってたけど、やっぱりあったんだ! ついに見つけたぞおおおおお! マゼランが希望峰を見つけた時はこんな気持ちだったのではなかろうか。マゼランじゃなかったっけ? ヴァスコダガマか? コロンブスでないことは確かだな。まあいい、どっちでもいいや、とにかく、東名阪へ行くことができるぞ。勝った。我々は勝ったのだ!

こうして、幾多の試練を乗り換えて、三重県に入った。いつものように御在所サービスエリアで最初の休憩を取ることにした。二輪専用駐輪場は、さすがにこの時期の朝早い時間なので、バイクは2、3台しか止まっていなかった。しかし、それでも物好きがいるね。連休唯一の晴れ日だから、ライダーとしてはここは決める日だわな。トイレ済ませて、SA内のコンビニはファミマだったので、ファミマルのホットゆずを飲んで、速攻でバイクに戻った。そしたら、駐輪場に黒いシングルバイクが止まってた。その隣にはピッタリレザースーツのダイナマイトボディライダーが立っていて、ヘルメットを取るとパサアーっと長い髪が落ちて、首を振りながら髪を流して、ヘルメットをミラーにかけるその姿は、ほとんど楠みちはるの漫画に出てくるようなスーパー美女ライダーであった。あなたが噂の本牧レディ? まじか。こういう人って本当にいるんだな。夢か幻を見てるのか。かつて、アメコミのあり得ないセクシーヒロインのダイナマイトボディは、ビヨンセ・ノウルというリアルで存在するんだと衝撃を受けたもんだが、それに近い。スーパー美女ライダーは、茫然自失のヘンタイライダーのことなどお構いなしで、颯爽と去っていった。当然だわな。残されたヘンタイライダーとしては、やはり夢幻だったと思って、再び、東名阪に戻るのだった。

ここからはぶいぶい言わしたるぜ。かっ飛びでぶっちぎりですっ飛ばす・・・はずだったが、何だか交通集中で、前が詰まって思ったようなぶっちぎりにならなかった。それでもそれなりの巡航速度で走っていくと、後ろから低重音が近づいてくるのがわかった。バックミラーに写っているのは真っ赤な最新型のフェラーリだ。詰まり気味の追越車線に見切りをつけたフェラーリは、走行車線が空いてきたと見るや、12気筒のエンジンを炸裂させ、クイックなハンドリングで車線変更をすると、一気に加速して前に出た。フッ、そうか、そういうことか。この最強のHONDAをぶっちぎろうということか。ここは東名阪道、高速道路ではないから大人しくしてやってたが、そこまで露骨にやられては、最強の名が廃るってもんだ。よろしい、売られたケンカは買ってやるぜ。だがな、ここではっきりさせておくが、現行のフェラーリなんぞ、今やピュアスポーツのかけらもない、ただの投資対象に成り下がっちまった存在だ。かつては人の、いや森羅万象の表現の場であった絵画が、時を経て金儲けの対象に成り下がっちまったように、今や跳ね馬はただの土地の投機と同じになっちまった。そんなマシーンとしてのファクターもスピリッツも失われたフェラーリに、この世界のHONDAが誇る最強のCB、あのスズカを圧巻したRCBの直系マシーン、過去も現在も、そして未来においても最強の座に君臨し続けるCBが、負けるはずがないのだ。いくぜ! アクセル全開! ・・・あれ、フェラーリどこ行っちゃったの? おかしいな、さっきまでそこにいたのに(編集部注:アンタが自分のCB讃歌に自己陶酔してるうちに行っちゃったよ)何だと。まあいいや、見えなく以下略

東名阪から伊勢自動車道に入った。ここからは交通量がぐっと減るはずなんだが、今日は結構交通量が多いので、おかしいな、と薄々感じてたんだけど、しばらく走って行ったら、「伊勢西インター出口閉鎖中」と看板が出てた。これやばいやつじゃね? 何年か前の大失敗が思い出される。マラソン大会だったか開催されている時に来ちゃって、伊勢神宮に近づくこともできず、その周りでお茶を濁して帰ってきたあの大失敗。あれ以来、事前に状況を確認してから行くようにしてたのに、まさかこのビックバレーの2月に何かイベントがあると思わんかったじゃん。しまったなー。多気PAに入って、スマホで情報を集めると、まっちゃんからラインが「駅伝あるよ」まじかよ。やっちまった。ここまできて、しかし今更他に行き先を変更できないので、とりあえず、行けるところまで行くことにした。

少し走ってたところで、ついに記念すべき時が来た。4万キロ突破である。やったぜ。ここまでの道のりは長かった。苦あれば楽あり、諸行無常、酒池肉林、我田引水、四面楚歌、しかし、今、我らはこのバイクでは前人未到の40000キロを達成したのだ。よしこうなったら怖いものはない。目標は達成したようなものなので、あとはおまけだ。おまけに行こうぜ、気楽に行こうぜ。

こうして伊勢インターまでやってきた。渋滞してた。当然である。イベントがあって、全国から車が集結している。多岐にわたるナンバープレート、これは困った。こんなに渋滞していては、時短した意味がないじゃん。高い通行料金払ってるのに、なんてことだ。クソ大失敗だ。しかし、よく見たら、バイクとバスは通行可だった。何というバイク優遇。三重大好きですよ。伊勢西から降りて、いつもは伊勢まで行くので、違うところで降りたので、神宮への道がややこしいんじゃないかと思ってたら、信号曲がってすぐに猿田彦神社があった。あれ、なんか見覚えあるじゃないかここ、と思ったら、神宮の内宮入り口だった。まじかよ。伊勢インターより伊勢西インターの方が内宮に近いじゃん。圧倒的に近いじゃん。今までのオレの苦労は何だったんだよ。これが本当のトローなんちゃって。(編集部注:意味不明)

内宮に到着した。相変わらず車は駐車場待ちで渋滞してたけど、バイクは例によって優遇されているから、渋滞待ちの車を抜けて、例によって二輪駐輪場に止めた。いつものように隙間道を抜けて、おかげ横丁に向かった。とにかく腹減ったので伊勢うどんを食うぞ。しかし、いつもの店は開店前なんで、どうしようか、この時間でやってるのはおかげ横丁の店だけだ。が、そこはいつも激混みでダメだ、ちくしょう、困ったな。とりあえず、おかげ横丁まで行ったら、意外に空いてたので、並んだ。後ろで待ってるカップルが「おいしそうだねー」「太いんだねー」などと実に楽しそうに会話してた。さらにその後ろのしたり顔のおっさんが「今日は空いてるなー」と言ったのでカップルが「今日は空いてるんだってー」「こんなに混んでるのにねー」と楽しそうだった。あー、吐きそう。

さて、順番が来たので伊勢うどんを注文しようとしたら、600円になってた。マジ? 600円? ちょっと前に500円だったよな。いや400円だったっけ? 小麦粉高騰してるもんな。うーむ、これが観光地価格か、ぼったくりじゃんくそ。などと思いながら、空いてる席に座って待ってたら、しばらくして「ヘンタイライダーさーん」と呼ばれたので手を挙げたら、女の子店員さんが運んできた。何、めちゃくちゃかわいいじゃん。「どうぞー」と渡してくれた。めっちゃかわいいじゃん、これで600円って激安じゃん。食ったらでらうまいじゃん。柔らかいよ。長旅の胃に優しいよ。いや全然長旅じゃないけどな。

食ったら次行ってみよう。次はやはり、赤福ぜんざいでしょう。前回、まだ時期が早かったのでやってなかったもんで、今回は食いたい。松坂屋さんでも高島屋さんでもやってるもんで、なんで今更ここで食うんかよ、という考え方もあるけど、やはりここで食う赤福ぜんざいは最高なのだ。赤福の本家本元でぜんざいを食うのさ。行列もそこそこなんで、並んで待った。順番が来て、玄人っぽく「ぜんざい」と注文したら「700円です」なんだと、700円!? マジかよ。赤福ぜんざいってそんなに高額だったっけ? くっそーここも観光地価格かよ。ブツブツ言いながら、さっきの600円と700円、合わせて1300円じゃん。これならハイカラさんのカツ定食食えたじゃん。高いからいつもやめとこうと思ったんだけど、そっち行けたじゃん。うーんうーん、と頭を抱えてたら、「ヘンタイライダーさーん」と高身長のスッゲー美人の赤福看板娘が赤福ぜんざい持ってきてくれた。「どうぞー暑いから気をつけてくださいねーお食事が済みましたら、お盆はそのままでいいですよー」めっちゃ美人なのにめっちゃかわいいじゃん、これで700円ってバーゲンプライスじゃん、何杯でも食っちゃおうよ。松坂屋さんには悪いけど、やっぱり赤福ぜんざいは赤福で食うに限るわ、ガハハハハー。食ったらめちゃくちゃうまいじゃん。やっぱり赤福、上品な甘さのぜんざいにカリカリ中もっちりの餅が入って、これは完璧なコンビネションだぜ。あっという間に平らげて、お店をでたら、まっちゃんがラインで、赤福買ってきてーというので、健康のことを考えて2個入り300円を買おうと思ったけど、8個入り900円の方が1個あたりの価格が安いのでこっちにした。

店員さんが「偏るので平に運んでくださいねー」と言われて、んなことわかってるよ、こっちはプロだよ、赤福何回食ってると思ってるの? ヒャッハー、さあ帰るぜ。バイクに戻って、はたと気がついた。やばい、バイクだった。絶対に偏るわこれ。くそ、どうしてくれようか。シート下に赤福を格納して、色々考えた挙句にバンドで固定した。これでいいと思う。さて、帰りはどうしようか。ググってみたら、下道だと4時間15分、高速だと2時間22分だそうです。どう考えても高速使うしかないじゃん。ではそういうことで、帰りも高速道路で一気走りで帰ってきた。

家に着いて、まっちゃんと赤福を食うことにしたが、果たして、偏ってるかどうなんだ!

大丈夫でした。

帰ってきたら花粉症の症状が出てきたよ。

本日の出費

ほっとゆず 2本 140円

伊勢うどん 600円

赤福ぜんざい 700円

赤福 900円

本日のCB1300SFの走行距離 300キロくらい

累計のCB1300SFの走行距離 40150キロくらい

4万キロ突破!

sunshinebreakthrough

You're runnin' through my vein You're my sunshine

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