a man who ride moon 山陰ツーリング#1

2019年の夏のロングツーリングは北海道行きが決定していたが、台風で中止となった。このままでは終われないので、改めて房総半島へのツーリングを計画したが、これもまた台風で中止となった。今年は台風の当たり年のようで、天候も不順、7月の日照時間が過去最低、8月は異常な高温と頻発するゲリラ豪雨で、日本列島はツーリングどころじゃなくなってた。今年はロングツーリングには行けないしれんなあと思っていたが、それでも9月に三度を計画した。そして、毎日のように週間天気予報を確認して、晴れるところを探していたが、どうやら行けそうなのが房総半島か山陰山陽方面で、それもまた、週間天気予報が日替わりで晴れ雨曇りと目まぐるしく変わり、直前まで状況判断ができない事態だった。やがて遂に迎える出発前日、最終決定された行き先は、山陰であった。山陰といえば、現行のCB1300SFの初陣で苦杯を味わった因縁の地である。リベンジできるのか。

2019年夏、最後の勝負となるツーリングが幕をあける!


早朝2時30分。いや、まだ深夜と言って方がいいくらいの時間だよな。丑三つ時みたいな時間だもんな。そんな非常識な時間に起きて、準備を始める。なんでこんなに早い時間に準備を始めるかというと、もちろん、今日は平日で高速道路は午前4時までに入ったら割引なので、それまでにインターを通過して高速道路に入らなきゃいかんからなんである。割引のためなら過酷な早朝出撃も厭わないのである。そのチビチビした努力で新しいオートバイを買うんだもんね。ウソですよ、ウ…ばきどてぐしゃ(まっちゃんの必殺技飛び膝蹴りパンチが炸裂した音)実際には4時ちょっと前に高速に乗ればいいんだから、3時30分でも十分なんだけど、万が一遅刻したらヤバイじゃん。気分悪いじゃん。最悪じゃん。出だしからケチついちゃうじゃん。なんせ、石橋を叩いて叩き壊す慎重な性格だから、何事も早め早めに手を打つのだよ。で、準備してたら、まっちゃんが起きてきて「行くのー」と寝ぼけ状態である「見送るよー」と言ってくれるので、革ジャン革パンを装着して必要なものを持ったら、荷物は昨晩積載済みなんで、あとは新型ガレージから出撃するのみなのであった。で、実家新型ガレージから、静かに静かに、近所迷惑にならないように、旗艦CB1300SFライアン・ストーン号を引っ張り出すと、エンジン始動、暖機運転省略でゆっくりとスタートした。

まずはガソリンである。早朝深夜の誰も走っていない、新聞配達のバイクも走っていない道を走って、いつものコスモ石油に行くと、給油機の前に止める。誰もいないかと思ったら、バイクが2台も給油してた。こんな時間に2台もつるんで給油とは、こいつらも高速道路狙いか、と思ったけど、若いライダーだったから、夜走り帰りみたいだな。若いっていいねえ。ガソリン満タンにして、ずっしり重くなったCB1300SFにまたがって、いざ、出撃! 目指すは関門海峡だ!

19号線を走って春日井インターから高速道路に乗った。3時30分くらいだったから、余裕で割引タイムに間に合ったな。ふっふっふ。これがベテランツーリングライダーなのだよ。巡航速度で高速道路を駆け抜けていく。さすが早朝深夜時間帯で、前も後ろも右も左もでかいトラックばっかりだ。それがまたコンボイみたいに連なってゴワンゴワンと爆走している。そんな中にビックバイクと言ってもミニカーみたいなもんで、なるべく死角に入らないように距離をとって走っていく。
なにはともあれ、無事に割引タイムに入ったから、とりあえず、サービスエリアでなんか食おうと思った。なんせ、この時間に出発だから、朝飯なしで出てきたもんね。そう思って、繰り出されるサービスエリアを確認したら、どこのそれも見事なくらいトラック満車だった。溢れちゃってるよ。入口から出口付近までハザード焚いたトラックで占領されているではないか。これではサービスエリアに入れないじゃん。困ったどうしよう。どこかで空いてそうなでかいところか、逆に狭い小さいところなら空いてるかも知れん、などと思いつつ走って行ったら、あっという間に岐阜を過ぎて滋賀県に入ってた。真っ暗なんで直感的にわからない。看板表示が出て初めて実感する次第。これはもう全託の余地なしと判断して、多賀のサービスエリアに強制軟着陸に踏み切った。

予想通りのトラック激混みであったが、バイク駐輪場はガラガラだったんで、そこまでなんとかたどり着いたらこっちのもんだぜ。止めたらお店の方に行って、営業してたところがあったのでメニューを見た。そしたら朝定食が5時からだった。まだ5時前だった。なんてことだ。仕方がないので、一番安いお腹に優しいきつねうどんを注文して食った。温まった。いや、猛暑の戻りとはいえ、この時間メッシュレザーで走ってるとさすがに寒いので、涼しいを通り越してしまってるので、ホットメニューにしました。食ったらなんか飲みたいと思ったんだけど、コークオン対応自販機があったんだけど、コールドばかりの品揃えなんでやめた。で、お腹も落ち着いたので出発した。

そこからもトラックに合間を縫って走り、吹田ジャンクションで中国道に乗り換えた。西宮まで来てようやく明るくなってきて、辺りの様子がわかって来た。空が青みがかかってきて、とりあえず天気は良さそうなんでホッとする。もう雨は嫌じゃ。明るくなってきたので、2回目の休憩をとる。西宮のサービスエリアでは朝食セットがあったのでそれを食った。いや、さっきのうどんは、それその夜食ですよ。で、これが朝食です。食ったらバイクに戻った。そしたら他県ナンバーのスズキとドカティが止まってた。そろそろ気の早いライダーも走り出してるようだな。平日ライダーってヤツだ。

サービスエリアを出たら神戸ジャンクションで山陽道に入る。この先の中国地方の天気予想が、山陰方面はちょっと雨降りそうだったんで、山陽道を選択したのだ。このように天候を先読みして走るのがベテランライダーなのだ。この辺りになってくると、ようやく一般車両も走り出してきて、トラックと高速道路通勤車両との混在になって、高速道路バトルが繰り広げられるのであった。なんせ通勤といえば、遅刻はやばいどころか、始業時間よりいかに早く出社するかを競う社畜魂の気合の入った連中が、目を三角しにして走ってるからやばいのであった。なるべく関わって全国指名手配された某氏みたいなのに遭遇することがないように、最新の注意を払って走っていくのであった。

こうして岡山広島と順調に進んで、そろそろお昼の時間になって、よし早めに昼飯にしよう。混雑する時間は避けたほうがいいから、早めに食おう。宮島のサービスエリアに入った。そこで一気に暑くなってきた。これまでちょっと涼しかったのに、一気に暑くなってきた。これはヤバイ。体力のつくものを食おう。そう思って、レストランに行くと、ウエイトレスさんがいそいそと準備してたんだけど、それがランチ900円豚生姜焼き定食であった。豚といえばまさしくスタミナにぴったりではないか。よしこれ食おう。即決して中に入ってランチの定食と注文して、瀬戸内海が見える席に陣取って、ランチを食った。うまかった。ボリュームタップリだった。満足して出発した。

そこから何度か休憩を挟んで、ルートを確認しながら、問題なく順調に進み、ついに、ついにか下関インター付近まで来た。よし、ここはバッチリ関門海峡を捉えたい。そう思ったら、ちゃんと壇ノ浦パーキングエリアがあったんで、そこへ入った。そしたらこれ以上文句のつけようがないくらいにバッチリと関門海峡と関門海峡大橋が見えるのであった、これは素晴らしい写真を撮ろうと思ったが、被写体が巨大すぎるもんでうまく撮れなかった。所詮その程度の腕のカメラマンであった。でもまあいいや。写真も撮れたし、今回の宿泊地、門司港に向かう。

事前に場所のチェックすることを忘れないようにしたので、今回は道に迷うことなくホテルに着いた。でかいホテルだった。フロントまで行ったら、もうチェックインできるというので、手続きをして、バイクは駐車場に入れて、荷物を持って部屋に入った。しかし、のんびりはできん。門司港レトロ巡りをするのだ。10年前、見ることができなかったから、そのリベンジだ。革ジャン革パンを脱いだら普段着に替えて、早速街に繰り出した。

まずは鉄道記念館だよ。すぐ近くなんで歩いて行った。静態保存の車両が想像以上にたくさんあって、めっちゃコーフンですよ。ヤバイですよ。写真撮りまくりだった。で、本館の方には当時のいろんなものが展示されてた。特に気動車のヘッドマークが立派で揃ってたのがコーフンですよ。まいったなー。ずーっと見とりたい。最後にもう一度、静態保存の車両を念入りに見て、次行ってみよう。

次は展望台だ。ところが、門司港レトロの中心街に行ったら、とんでもないポスターを見つけてしまった。なんと、門司港レト謎解きであった。謎解きマニアの端くれとして、これを見逃していいのか。迷ったが、やることにした。やらなくて後悔するより、やって後悔したほうがいいじゃん。で、キットを売ってる店を探したが、それがわからへんじゃん。困った困った。で、ヒマそうにしてる店のおねーちゃんに聞いたら、お店まで案内してくれた、今夜の晩御飯の予定にしてた門司港レトロ名物焼きカレーの店だった。そこでキットを買って、まっちゃんに協力を得て、謎解きに挑んだのであった。片や地元で、こちらは遠征の地で、離れていても二人の心は一つなのであった。あっという間に探索謎を解決して、焼きカレーを食いながら最終問題を解くのであった。

最終問題は難関であった。しかし、二人の英知と根性の前に謎はついに解き明かされたのであった。やったやった。よーし、商品をもらおう。焼きカレーのお店の人に答えをつたえると「おめでとうございます!」「ありがとう!」「賞品は当店で使える2割引券です!」「え、もう食っちゃったんですけど、フツーにお金払っちゃっったんですけど」「あ」「あ」「大丈夫です、2割引で精算させていただきます」「え、まじ」ということで2割引で焼きカレーを食うことができました。めでたしめでたし。

無事に謎解きミッションをクリアしたので、最後のミッションは展望台だ。なんせ高いところが好きなんで、タワーがあれば登るのだよ。タワーに行ったらおねーちゃんが暇こいてたで、料金は31階で払ってくださいと言って、直通エレベーターを呼んでくれた。で、来た直通エレベーターに乗って高速で31階展望台に上がった。そこで300円払って展望台に入った。

いやー見事な展望です、あ、これでも、夜景の方がきれいかな。でもカップルだらけになりそうだからいいか。今もすでにカップルだらけだけどさ。熱々なカップルだらけにおっさんライダーが一人孤独を噛みしめているのであった。しかし、展望が見事だもんでそんなことはどうでもよくて、ハイテンションで何度もウロウロしてあちこちの方角を見てサイコーサイコーと叫んでたのでアブナイおっさんだったな。で、満足して帰ろうとしたら、帰りの直通エレベーターでカップルといっしょになっちゃって、メッチャ気まずかったぜ。

あとはホテルに帰ってツーレポ書いて風呂入った。

寝る前に外を見たら関門橋がライトアップされてた。




sunshinebreakthrough

You're runnin' through my vein You're my sunshine

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