国道1号三河は帰りの通り雨

同年代の方ならわかると思うんだが、まだまだ日本が三種の神器だの3Cだのと言ってた時代に、映画を見るのは映画館と決まっていて、とても贅沢な行事だったんだ。他に映画を見る手段といえば、テレビのロードショーで見ることになるのだが、当然、時間がテレビ側の制約を受けるので、それまでにご飯やお風呂を済ませて、時間に合わせてテレビの前に座って見る。で、これがテレビで放映される時に洋画は全部吹替になるんだよ。当たり前だけど。それに対して、映画館で見るときは吹替がなくて、全編字幕になるもんだから、映像を見ながら字幕を追うのが結構大変だたりして、でも、それがいかにも洋画を見てる気分にさせてくれて映画館で見てる気にされてくれで贅沢な気分を味わえたんだけど、あれから幾年や、時代は変わって、今やテレビの時間に合わせなきゃならないなんておかしいと言われるようになっちゃって、映画はお家でビデオで見れば良い、1週間レンタル80円の時代だから、何本でも借りてきて見たい放題、そして決定的なのは、全部、吹替も字幕も好きな方が選べて、そりゃあもう、家で見るとなると、当然、ながら見ですよ、お菓子食べたりスマホいじったり洗濯したり掃除したり夕飯の準備したりなんやかんやしながら見るから、吹替の方がいいに決まってるじゃん。だから映画は吹替が当たり前、なんでめんどくさい字幕を見なあかんの。それも某翻訳女史の悪評高い誤訳だらけの字幕見ながら見なあかんの。こうして、洋画の吹替は映画館にもその波が押し寄せ、今や映画館でも吹替上映が当たり前、字幕の時間しかないとガックリですよ。吹替の時間に合わせて映画館に行くようになってしまった。かつての贅沢な時間を味わう気分は、もはや過去の遺物と成り果て、忘却の彼方へと去った、という日常を過ごしていたある日のこと、久しぶりにビデオを見ることになった。洋画の潜水艦ものでハリウッドでドヒャンバヒャンのアクションものなんで、久しぶりにホームシアターを出しまして、見たんだよ。そしたら、あまりにも久しぶりだったもんで、操作方法を忘れちゃってさ、普通にロードして上映開始すると、延々30分くらい予告編を見させられてから本編が始まるんだけど、アレどうにかならんか、まあそれはいいとして、本編が始まるんだけど、デフォルトが字幕スーパーなんだよ。だから、メニュー画面を出して、吹き替えに変えんといかんのだけど、あまりに久しぶりだもんで、操作がわからんくて、どうなったこうなったモタモタしてるうちに、なんせハリウッド映画ですから、上映開始5分で最初のクライマックス、緊張の北極海の潜水艦対決ですよ、もうこのまま字幕でいいやと見始めたら、あっという間に120分、ハラハラドキドキの最後は感動のラストを迎えて大円団、いやー映画ってほんとにいいもんですね、さよならさよならさよなら、という感じだった。で、字幕スーパーで何十年ぶりかに見た洋画は、素晴らしく贅沢な時代を思い出してノスタルジーに浸ってしまったのだった。ああ、字幕で大画面で洋画を見るのっていいよなーまた見たいなーよしまた見よう。決定したのだった。だからツーリングに行くことにした。

大寒波襲来が続く日々がようやく一旦小休止を迎えたような週末になったので、まさしくツーリング日和なのである。前回はCBR600RRだったから今回はCB1300SFで行くことにする。そして、新しい装備である電熱ベストだが、CB1300SF用の愛用の革ジャンがかなりタイトなので、最初に購入したダウンベスト風の電熱ベストだとインナーに着ることができない。そこで同じモデルの薄型を新たに購入したので、それをテストも兼ねて行くのだ。当日、朝早めに起きたらやることやって、まっちゃん特製水レタス芋サンドマフィンエクスペリエンス風を食ったら、薄型電熱ベストをインナーにした新たな装備で、実家新型ガレージに行くと、CB1300SFライアン・ストーン号を引っ張り出した。エンジン一発始動でHONDA最強が目覚めるぜ。朝ちょっと早いので暖気もそこそこで出発する。

まずはガソリンだ。いつもの19号線沿いのコスモ石油に行くと、いつもの給油機の前に止めていつものルーチンを繰り返してようやく給油開始、8リットル入った。気になるレギュラー価格は128円だった。高いぞ。なんとかしろ。満タンになったずっしり重いCB1300SFを引っ張って19号線に向けて跨ると出発した。

国道19号線を名古屋方面に向かう。今日は日曜日なので、この前CBR600RRで同じような時間に走ったのと比べると、雲泥の差で、ガラガラだった。制限速度+αでかっ飛んでいく。この前モタモタしていた庄内川矢田川の橋もあっという間に乗り越えて、名古屋市内の5車線だか6車線の大きな道路広い道路をかっ飛んでいく。くーっ、いい感じだぜえー、誰にもオレを止められないぜえー、と走っていたら、後ろから迫ってくる車の影が! バックミラーを伺うとそこにいたのは真っ赤なフィアットアバルトだった。そう、あの名車フィアット500をイタリアのレーシングマニファクチュア、カルロ・アバルトがチューニングした公道レース用マシン、アバルト595だ! ふっ、確かにイタリアの名門チューナーのプロデュースしたマシンかもしれないが、公道最強HONDAであることを教えてやろうじゃねえか。よし、この先の交差点、国道19号が直角に曲がる(編集部注;直角ではありません)小川の交差点でケリをつけてやるぜ。信号が変わった瞬間、お前を見えなくしてやるぜ! ヤツは一番左のレーンに入って、オレの最強HONDAマシーンの横に並びやがった。クックック、やる気かい? そんなしょぼい2気筒エンジン(編集部注;しょぼくありません)で、このオレ様の最強HONDAインライフォアに勝てるとでも思ったか! 信号が青になった瞬間、一気にアクセル全開、ぶっちぎりでアスファルトを引き裂くぜ! あっという間に見えなくしてやったぜ! (編集部注;ご存知のように、小川の交差点には青信号はなく全て矢印信号になっておりまして、安全のために交差しないようになっておりますので、フィアットアバルトは左のレーン、すなわち左矢印が出たら曲がるレーンにいたので、サイト管理人ヘンタイライダーが青信号と証言している直進の矢印では動けないので、当然、止まったままで、結果的には見えなくなったということですので、決してテクニックやらマシーンの性能とやらで見えなくなったわけではありません)

千早、鶴舞、高辻を経由して堀田で国道1号線に入った。今更だが、今日の目的地は豊橋である。消去法でここになったんだけどさ。雪で岐阜方面には行けない、三重方面はアクセスめんどくさい、ゆえに県内で平地となると知多か三河、で、この前知多に行ったから今日は三河豊橋ということで、これといってランドマークもないのでテキトーに国道1号線を走っていく作戦だ。行った先になんかあったらいんだけど、そううまくいかんわな。

で、コンビニで休憩などしながら国道1号線を走っていくのだった。さて、今回購入した薄型電熱ベストの調子だが、まず、前回購入した電熱ベストと比べて薄く素材がウエットスーツのものを使っているというので、着心地がちょっと特異な感じ、サイズが小さめでぴったりフィットしてるのでちょっとしたアーマーを着用しているようだ。で、発熱だが、左の背中に熱源があるようで、そこが一番熱く、それから腹回りにその熱が回って行ってるような感覚だ。だから、熱を持った腹巻きをしているような気分だ。だから、そこ以外はやっぱり冷える。でも、暖かくはないが寒くはないので、何度も書くようだが「寒い寒いよー」と気分が塞がってくるようなことないのでいいと思う。やはり、電熱ベストは一度使ったら手放せないというのは本当だな。もっとも、今日は春のように暖かい日らしいので、寒さに対する効果の程がどれほどなのかはなんともまだまだ不確かなのかもしれん。

岡崎のインターを超えたあたりにデニーズがあったので、他に思い当たるところがないからここら辺でなんか食っとかんとまた食い逃すと思って入ることにした。駐車場にCB1300SFを止めて、お店に入った。モーニングタイムだがあまり混んでいなかった。お好きな席にどうぞと言われたので、バイクが見える席に座って、和食のモーニングを注文した。ドリンクバー付きなので、セブンカフェを飲みながら待つ。待っている間、なんとなく店内の様子を見てたら、なんだか不思議な客ばっかりだった。向こう側にいるイヤホンを耳にして下向いてぶつぶつ言いながら紅茶を何杯も飲んでるボサボサの髪の毛のおっさん、そのさらに向こうには頭皮が寂しくなってきたおっさんは何冊も大学ノートを開いて何やらひっきりなしに書き込んでいる、隣に座ったロードワークの途中みたいなアスリート風の若者は茶髪なんだけど、モーニングメニューを見て「これしかないの?」と聞いてグランドメニューもありますと言われてそっちから朝っぱらからハンバーグ定食を注文してガッツリ食ってた。もちろん、井戸端会議のおばちゃんも何人かいたけど、実に興味深いライフスタイルの方々を見ることができて面白かったです。和食モーニングがきたので食った。とりあえずお腹が落ち着いたので、お店を出てバイクに戻ると国道1号線を豊橋方面に向かった。

そこからも順調に進んで、予定通り、豊橋市内に入った。豊橋市に入るところにあるヤマサの竹輪の工場ももちろん健在であった。なんせ豊橋を代表する優良企業だからね。某ネタサイトのイラストレーターが取材に来てとた時に「豊橋市民は毎日こんな美味いちくわを食っているのか!信じられない!」と言ったとか言わないとか。確かにヤマサのちくわはうまい。

そして、豊橋といえば路面電車と豊橋市公会堂の建物だ。言ってみれば豊橋市のランドマークといえばこの建物だよな。バイクを止めて写真を撮っておこう。その間も路面電車はひっきりなしに往来しているのだが、まともに撮影できた試しがないね。見てたら写すの忘れるもんね。今日走ってたのはダイハツの広告を全面プリントしてた。

そこからさらに国道1号線を静岡方面に進むと、キャベツ畑の広がるくねくね道までやってきた。さらに進むと、バイパスを経由して潮見坂の道の駅まで至るのだが、このバイパスはバイパスのくせに四六時中渋滞しているのだ。だからこっちの道を走るのは賢明ではない。そこで旧道のほうに曲がった。そして、モノホンの潮見坂のカーブを絶妙なコーナーリングさばきで降っていく。海の見えるところまで来たので、いつものセブンに入った。CB1300SFを駐車場に止めたら、店に入って、あんまんとセブンカフェを買ってイートインコーナーで食った。食いながらこの後の作戦を考えた。で、テレビで紹介されてた美味しそうなランチの店がこのあたりにあったんじゃなかったっけ、と思いだしてスマホを出して検索した。そしたら、ここからまだ1時間かかるようなんで、うーん、ちょっと時間がないから無理だな。今度そこを目指して走ることにしよう。今日は、そういうことで、ここでリターンします。来た道をもどって、途中になんかあったらそこでなんか食うみたいなテキトーで進むことにした。場合によっては高速道路で帰ってもいいぞ。

海の写真を撮ってたら、セブンの駐車場にバイクが入ってきた。おっさんかと思ったら、それが今時の茶髪の若者なんでびっくりしたよ。若者がバイクに乗ってるのなんて、あんまり見ないからな。そういえば、この前もガソリンスタンドで給油してるアメリカンも若者だったな。どうなんだ、やっとバイクも若者復権なのか。となると、先輩としては模範となる姿を見せねばならんぞ。バイクに戻って、ヘルメットをかぶって、バイクを引っ張って向きを変えて、またがってエンジンスタートして1速に入れて、スルスルと発進する。ズーーっと若者ライダーに見られてるような気がして、むちゃくちゃに緊張して立ちゴケしたらどうしようかと思ってエンストこいたらどうしようかと思って、だってさーなんか「革ジャンいいよなー」「いいよなー」という会話がちょこっと聞こえちゃたんだよ。これってオレ様の、かっこいい、ちょーかっこいい、すげーかっこいい、でーらーかっこいいクシタニの革ジャンのことだよな。そうです。かっこいいのはクシタニの革ジャンであって、必ずしもクシタニの革ジャンを着ているライダーが総じてかっこいいかどうかについては、また別の問題ですってやかましいわ。

国道1号線を戻って行く。で、結論から言うと、走り慣れた道なんで、これといった発見もなく、止まることもなく、でも天気がいいので高速で帰ることもないから、このままのんびり走って帰ろう。ぽかぽか陽気になってきて実にいい気分だな。バイクもたくさん往復しているぞ。みんな啓蟄の気分なんだろうなあ。今年は寒かったからなあ。

この調子で岡崎から豊田まで戻ってきて、セブンイレブンで最後の休憩をした。天気は上場で空は晴れが広がっている。このまま平穏無事に帰れるはずだった。が、しかし、事態はこの後、風運休を告げる。なんと、瀬戸に近づくにつれ、空が急速に暗くなりどう見ても雨雲が広がってきていたのであった。それでも天気予報には雨のあの字もなかったから、全く心配していなかった。ちょっと曇ってきただけだと思ってた。だから、名鉄瀬戸線を過ぎたところでポツポツしてきた時はもうびっくりしたよ。え、まじ? 雨? ウソだろ。どうせちょっとぱらつくだけだよ、そうだよ、まさか本降りになんてならないよな、ダイジョーブだよ。全然ダイジョーブではなかった。瀬戸水野から本降りになってた。ザーザー降ってるじゃん。もはやなす術もなく、びしょ濡れになって走って帰るしかなかった。うーむ、新年早々やらかしてくれたな。

家に帰ってきたら晴れてきた。完全に通り雨だった。やられたなー高速で帰ってきたらダイジョーブだったかもしれんが、そんなたらればの話は意味ないぜ。降られちまったんじゃ仕方ない。洗車しよう。晴れてきたので幸い、水洗いして雨水の晴れ泥汚れを落としてケミカル品でピカピカに磨いた。おかげでキレイになりました。某CB1300SB赤白(編集部注;バイクカバーは何故かヤマハ製)よりも絶対にキレイになったと思う。

本日の出費

和食モーニング 580円くらい

セブンカフェとあんまん 280円くらい

ホットレモン 120円くらい

本日のCB1300SFの走行距離 170キロくらい

累計のCB1300Sfの走行距離 32300キロくらい

sunshinebreakthrough

You're runnin' through my vein You're my sunshine

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