right here,right now 東北ツーリング #6


朝4時に起きたら雨がザーザー降りだった。ガーン。遂にザーザー降りの朝になってしまった。これまでなんとか持ちこたえて来たんだけどなあ。やはり飛行機雲が出てたから天気の崩れは如何ともし難かったな。どうしようか考えて2度寝して、5時に起きて、まだ降ってたもんで、もう諦めた。今日は雨降りの1日と思って、雨対策をしっかりして出発することにしよう。サンドイッチだけじゃなくてもっと色々買っておけばよかったが、昨日の好天がこれほど急激に悪化するとは思わんかったもん。読みが甘かった。まだまだ修行が足りんようだ。文句を言っっても始まらんのでサンドイッチを食って荷物の雨対策をしてほぼ準備できたので、もう一度外を確認したら、とりあえず止んでいるようなんで、行くなら今だな。チェックアウトして、バイクを屋根のあるところに移動してそこで荷物を積み込み、しっかりカバーをかけて、それからカッパフル装備にしてホテルを後にした。
秋田市を脱出する。その前にガソリンを入れようと思ったんだけど、ガソリンスタンドを見つける前に国道7号線にはいっちゃったもんんで、幹線道路は突っ走るだけなんだよ、ガソリンスタンドなどないのであった。諦めて、まずは由利本荘を目指す。すぐに雨が本降りになって、ザーザー降りになって、土砂降りになって、どうにもならんな、仕方がないのでひたすら走り続けるのであった。バイクも全然見かけないのであった。そして、由利本荘市付近でガソリンスタンド発見、開店準備中のオヤジさん捕まえて給油した。これで一安心だな。今日は太平洋側へ山越えなんで、途中にガソリンスタンドなんぞないと思うから、ここで入れておかないと山の中でガス欠なんて事態は勘弁して欲しいぜ。
国道7号線から、山越えルートの国道108号線に入る。しばらく走ったらコンビニがあったので、人間の補給もしておかないといかんので、面倒だがカッパを脱いで、雨のかかならいところに置いて、イートインがあるコンビニなんで、そこでコーヒー飲んでクリームパンを食った。食ったら再びフル装備のカッパ着て雨の中出発する。それなりのペースで走って行くと、地元の人の車にどんどん抜かされる。ごめんねー雨だから安全運転なんだよ、バイクは急に止まれないんだよ。スローペースなのは、このまま走って行くと、時短ツーリングになってでホテルのチェックイン時間より前に着いちゃうといかんのだよ。だからそういうことも考えて走ってるのさ。オレって用意周到なのさー。
道の駅があったのでそこで休憩した。ここで大変な事態が発覚した! 緊急事態なのであった! これまで考えたこともない予想外の展開であった! ヤバいヤバすぎる。どうも冷たい感じがするのでカッパを脱いで調べたら、カッパが浸水してるじゃん! モンベル最強のシャワースーツが、ライダー御用達のシャワースーツが、着てシャワーを浴びでも全然濡れないと言われていた、モンベルの、アウトドアの信頼のブランド、モンベルの、アウトドア最強ブランド、モンベルのカッパが浸水したのだ。やはり地球温暖化は深刻なのであった。いやそんなことはカンケーない、そういえば買ってからもう8年だもんな、風魔のシャワースーツが12年くらい持ったから、モンベルもそれくらい持つかと思ったけど、とんだ食わせ者だな。何がアウトドア信頼のブランドだクソ。買ってから8年だが、使ったのは述べ30日くらいだぞ。いや経年劣化という言葉を知らんのか、普通8年も持てばいい方だわな。そうなんだよ、その通り。よくぞ頑張ってくれました。がしかし、ここでいきなり浸水は困るのだよ。昨年の連日の雨の東北ツーリングでも鉄壁の防水だったから全然大丈夫だと思ってたもんなー。ああ、どうしようか。まっちゃんが「カッパ新しいのいらんの? もう古いから新しいの買ってもいいよ」と言われてたのに、あん時買っときゃよかったなーやっぱりまっちゃんのいうことは正しいのだよ。あ、そうか、そこで閃いた。今買えばいいじゃん。世界のワークマンなんだから、東北にだって店はあるだろう。早速スマホで検索する。良い時代になったな。昔だったらわからへんぞ。すると、湯沢に店舗があることがわかったので、そこへ行くことにした。よし、出発だ。
国道108号線を走って、湯沢市まで行く。どんどん酷くなる浸水は、いよいよブーツにまで浸水、下に着ているユニクロピースまコットン長袖Tシャツにも浸水して、だんだん体温が奪われていくのがわかった。このままでは八甲田山雪中行軍の二の舞だ。急げ急ぐのだ。ワークマンはまだか。現場で働く人の最強のブランド、ワークマン! ああ、もうダメだ、体力を奪われてもはや気力も尽き果てようという、最後の時を迎えようとしていた時、黄色と黒のトレードマーク、ワークマンの看板が、チカラ強い看板が現れた! 速攻でバイクを駐車場に入れて、割と広い軒下でカッパを脱いで、店に入って、一直線にカッパのコーナーに行くと、ワークマンのバイク用カッパ、話題のカッパ、安くて最強の呼び声も高い、なんてブランドだったっけ? バイカーズ? イージス? 実はすごい種類が並んでいて、ワークマンおそるべし、下は1200円から上は6800円まで豊富なニーズに応える品揃え、あなたもお近くのワークマンへぜひどうぞ。ヤバい。焦り始めた。人気商品だからもう品切れなのかもしれん。そういう話も聞いたぞ。あわわ、どないしよう、もうおわりや、わいは終わりやー、と半狂乱になってきて、店の品出しをしている何気に美人なおねーちゃんが「やだこの人アブナイ人だわ」と店長を呼びに行きそうだったが、その直前に、ハンガーにかかっているライダースレインウェアを発見、これだこれですよ! ハンガーにかかってたもんでわからんかっったよ。でもサイズはM2着L1着LL1着しかなかった。多分サイズはLだと思うんだけど、どうなんだろうか、店長を呼んできいてみたら「多分、大丈夫ですよ」とおおらかな答えだったので、色もロスマンズブルーだったからホンダにぴったりだと思って買った。で、ピースマコットンもズブ濡れなんで、新しい長袖シャツも買った。で、そこで着替えさせてもらって、カッパもフル装備して、お礼を言って店を出た。
おっしゃーッ! これでもう雨なんざ怖いもんなしだぜ。来やがれ梅雨前線野郎め、寒冷前線野郎め、台風だろうがゲリラ豪雨だろうが、受けて立つぜ。でも革ジャンはズブ濡れなんで、そこらへんがご了承ください。まあ、冷えるのは防止できるから、その点だけでも大きく違うよ。
来た道を戻って108号線で仙台を目指す。防水完璧な新しいカッパになったんで巡航速度もアップしてガンガン行くぜ。ワークマンで時間食っちまったからな、時短で走るぜ。ガンガン走って、山の中のいい感じの道だから、晴れてたら気持ち良かったろうなあなんて思わないぜ。どんどん走って、宮城県に突入した。宮城県といえばいろいろ温泉があるんだが、秋の宮温泉、鬼首温泉、そして鳴子温泉、雨じゃなくて時間があれば寄り道するんだが、残念でしたまたどうぞ。
国道108号線から国道47号線に乗り換えていよいよ仙台が近づく。古川まで来ると、山越えが終わって街中に入って、なんとなく一安心なのだ。そこで国道4号線に乗り換えて仙台まで一気に走った。そして、予定よりかなり遅れて仙台市に入った。本当はこの雨なんで、チェックイン開始時間に着くと思ったんだけどね。それより遅れての仙台入りだ。まあ、トラブルがあってもこんな時間に着いたんだからよしとしよう。仙台市は雨も止んでいたので、コンビニに寄ってちょっと休憩する。カッパが新しいと撥水がしっかりしてるからすぐ乾くんで、着たままで店に入れるんだよー。飲み物を買って一息いれる。ここまでほとんど走りっぱなしだったからな。今日のホテルの位置を確認して出発した。
ちょっと道に迷ったが、かなり道に迷ったが、いやナビの見方間違えたわけじゃないよ、ホントだよ。北と南を間違えたわけじゃないよ、ホントだよ。なんとか今日のホテルに着いた。バイクを止めるところを駐車場の整理をしている係員の若いにーちゃんに聞いたら「もうバイクはいっぱいなんで、自転車置き場においてください」といわれちゃった。なんてこった、雨だからみんなライダーはチェックインが早かったんだな。仕方がないので、ホテルの従業員の自転車置き場に止めた。無料なんだから文句は言えんな。屋根付きだし、出しやすいし、まあ良しとしよう。
荷物を持ってチェックイン、フロントは機械で受付するタイプで、こういうの徐々に増えてるよな。人間がやる仕事を機械がどんどん奪っていくんだ。そう、カート・ヴォネガットが書いたアンチユートピア小説のような時代が刻々と近づいてるんだ。でも楽でいいな。カードキーを持って部屋に行ったら、ようやく荷物を広げられるよ。ズブ濡れの革ジャン革パンを干して、荷物は全部おっ広げて、エアコンかけて乾かすのだった。それが済んだら、いよいよ牛タン食いにいくよー。これが楽しみでここに来たんだからね。
ホテルを出て仙台駅内のタン横丁に行くと、まっちゃん情報の店に行ったら、スッゲー行列ができてた。げ、ここかよ、ほかの店並んでないからすぐ食えそうだけど、でもやっぱり、うまいから並ぶんだよな、ここにしよう。諦めて並んだが、意外に早く順番が来たんで、一人だしな、カウンター席に案内された。で、何がオススメかまっちゃんに聞くの忘れてたんで、まあ、限定とか表に表示されてたのがオススメに違いないと判断して、その牛タン定食を注文した。店内は、牛タンだけに文字通りぎゅうぎゅう詰で、カウンター席も隣の人と肘が当たるくらいだった。で、隣のカップルの男の方が鼻かんでたんで、きたねーなークソ、と思ってたら、反対隣の男の客がやたらと汗だくでおしぼり何枚ももらって汗拭いて、カウンターのセルフで入れるおちゃのぽっとのお茶を一人で全部がぶ飲みしやがったので、飲もうと思ったらないじゃん、少しは遠慮せえクソ。しかし、そんなクソな状況も、牛タンが来たら全て解消ですよ。肉厚な牛タンととろろご飯にネギたんスープの定食、とにかくまずは牛タンですが、柔らかいのに歯ごたえがあってゲキうま。近所の焼肉屋のペライチのタンとはモノが違うよ。それが9枚も並んでるもんで食べ応えたっぷりだよ。とろろご飯と合わせて食がすすむのであった。が、しかし、本当に美味いのは違うのであった。本当に美味いのはネギたんスープなのであった。ネギのシャキッとした辛味に、じっくり煮込んでとろけるような牛タンとのハーモニーがもはや別世界に誘うのであった。気がついたら仏ヶ浦みたいな? 実に美味かった。食ったら鼻水が出て来たんで鼻をかみたくなった。隣の汗かき野郎は、お代わり大盛り頼んでた。素人はこれだから困る。こっちは牛タンとは他にもうひとつ目的があるのさ。その崇高な使命のためにあえてお代わり封印だよ。ふっふっふ。

その崇高な目的は、キルフェボンだ! 最高のケーキのひとつであるキルフェボン、名古屋から撤退しちまってから幻のケーキだったけど、ここ仙台にあるんだよ店が、だからここに来たんだもんねー。Hey Siri、キルフェボンを検索、道案内して、と命令したらApple watchで道案内してくれるので、迷うことなく到着した。正面から入ったら、店のおねーちゃんが「7時までですがよろしいですか」というので時間を見たらまだ30分もあった。「全然問題ないですよ」と答えて、ケーキを選ぶんだが、クッソー、いろいろ美味しそうなのがありすぎて迷う、こんな閉店間際にきてもまだいろいろあるから迷う、どうすればいいんだ、時間がないから早くしないと、でも夏限定がいいので、キウイのタルトにした。で、席について待った。時間が遅いからガラガラなんだな。若いキレイな女の子ばっかりだったらどうしようとビビってたが、全然ダイジョーブだったぜ。ケーキとコーヒーが来たんで感動のあまり「いやー、名古屋から撤退しちゃって、悲しくて悲しくて、どうしても食いたくてここまできちゃいましたよー」とかわいい店員さんに言ったら「名古屋からいらしたんですかーわざわざありがとうございますー私も名古屋の大学に行ってたんですー名古屋の人にそう言われるとうれしいですー」とこんなヘンタイ風のオッサン相手に、ちゃんと対応してくれたのでとてもよかったです。いい思いしてケーキ食った。夏限定だから爽やか系甘酸っぱいタルトで肉料理の後にぴったりだった。美味かった、サイコーでした。

これでミッションコンプリーツ、ホテルに戻った。戻って風呂入って寝た。


本日の走行距離 277.6km

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