a man who ride moon 山陰ツーリング#3

朝4時30分に起きた。荷物を整理して革ジャン革パンを装着する。で、実は今日は最終日になるんだが、今日帰るんだが、予定が全く立ってなかったんだよ。作戦は3つあって、日本海側を走って敦賀から高速で帰るか、日本海側を走って途中から内陸に入って福知山から高速で帰るか、それとも、ここ松江周辺の取りこぼしを拾って米子から高速で帰るか。さあどうするか、此の期に及んで、それを考えて、結局結論らしいものが出ないので、走り出したら何か答えが出るだろうなんてオレもアテにはしてないけど、とりあえずはチェックアウトする事にして、荷物を担いでフロントまで降りた。チェックアウトしてバイクに荷物を積み、明るくなりつつある空の下、出発した。 

土曜の早朝、街はまだ眠ったままで、道路はガラガラ、通りにひと気もなく、そんな閑散とした世界を走っていく。まず朝飯を食う事にして、あらかじめ調べておいた近くの吉野家に行った。そしたら満員御礼だった。いや席は空いてたけど、街のガラガラさに比べてなんでこんなに人口密度が高いのかと思えるくらいで、ガテン系の方が大きな声で会話しながら牛丼をがっつり食っていたもんで、やばいところに来てしまったと思いつつ、朝食定食を注文した。すぐに定食が来たので食い始めたら、ガテン系の方々が帰ろうとしてたので、やばいバイクを見て「おっさんいいバイク乗ってるじゃねえか」「オレによこせよ」「なめてんのかコラ」とか言われたらどうしようとビビっていたら、ガテン系の方々はお金を払って「ごちそうさまー」と言いながら出て行った。なんだいい人たちじゃん。 


食ったら吉野家を出て、松江周辺の取りこぼしを拾う作戦にして、まずはコナン記念館に行ってみようと思い、国道9号線を鳥取方面に走り出した。でも、まだ時間が早いので、どうしようかと思っていたら、ガソリンがないことを思い出して、ガソリンを入れようと思ってガソリンスタンドを探したが、国道9号線という幹線道路にも関わらず、行けども行けども、営業しているガソリンスタンドがないのだよ。ガソリンスタンドはいっぱいあるんだけど、24時間営業とか早朝から営業とかないのか。困った、ガス欠なんてごめんだぜ。いよいよ目盛り残り1つになって切羽詰った状況になったところで、ようやく営業中のガソリンスタンドを発見した。一人で切り盛りしてるみたいで、給油中のクルマが4台もいた。他がやってないからここに集中するのだな。給油機の前に案内されて、少々お待ちくださいと言われてからだいぶ待たされてようやく給油してもらえた。一人でやってるんだから仕方がないさ。ガソリンは16リットル入った。まだ余裕があったな。

支払いしてガソリンスタンドを出ると、満タンの安心感で、ガンガン飛ばせるぜ。早朝の国道9号線をかっ飛ばしていくのだった。 で、コナン記念館開館まで時間があるから、どこか寄り道でもしていこうという事になり、大山寺の看板を見つけてそっちに行ってみた。大山の寺のようだ。そういえば大山もしばらく行ってないから、ちょっと行ってみようか。案内板の方に曲がって、大山に向かって走っていく。鳥取の象徴、大山。文字通り大きな山だよな。山頂に雲を被ってるが、広がる青い空に大山が映える。どんどん走っていくと、どんどん山の中に入っていく。鬱蒼と茂った深い森の中に突入し、晴れてるのに暗くなってきて、そして標高がだんだん上がってきて、だんだん寒くなってきた。これはちょっとヤバいんでないか。そう思い始めて、このまま進んで大丈夫なのかなあと不安になてきた頃に、大山寺の参道入口が現れた。広い駐車場と、色々な建物があって、車もたくさん止まっていて、こんな朝早くから人も何人もいて、どうなってるんだここはと思ったら、みんな登山客だったよ。フル装備のトレッキングスタイルの方々ばかりで、準備体操などしつつ、大山に登る気満々の様子で、そんな人々に囲まれたこの寒い環境でメッシュレザーという違和感ありまくりのライダーは浮きまくりなのであった。それもあるけど、とにかく寒いんだよ。気温が20度切ってるんだよ。このままでは八甲田山になってしまうので、撤退する事にした。なんかすごくいいところで、見晴らしもいいのに、断腸の思いで下山ルートを走っていく。下山ルートがまた開放的で走りやすくて、眼下に見る松江米子の町並みは、夜はキラキラ夜景が綺麗なんじゃないかと思えるのだった。そんな美味しいワインディングロードを、くーっ良い感じだぜーと走り抜けていくと、下界まで降りたんだが、なぜか松江に戻ってきてた。おかしいなー一体どういう道を走ってきたんだろう。これではコナン記念館が遠のいてしまった。 

どうしようかと思ってアップルウオッチで時間を見て閃いたのさ。この時間なら、昨日の夜に松江のお勧めカフェで検索したら紹介されてたカフェのモーニング営業に行けるじゃん。という事で作戦変更、コナン記念館はやめてカフェに行く事にした。松江から宍道湖周辺ロードを走って、目的のカフェに着いた。難しい漢字の店なんで名前は覚えてないけど、宍道湖が見渡せる絶好のロケーションなのだ。バイクを止めてお店に入ると、満員御礼だったらどうしようかと思ったら、意外に半分くらいしか埋まってなかった。地元の年配の方々がほとんどだった。テラス席もあったけど、日当たりがきついので、窓際の席に座って、モーニングセットを注文した。時間かかるかと思ったら、すぐで出来た。早いな。吉野家かと思った。トースト、オムレツベーコン、サラダ、ヨーグルトとごく普通のモーニングセットだった。コーヒーは爽やかで苦味があって美味しかった。オムレツは実に上手に焼けていて、トロフワだった。宍道湖を眺めながら味わうコーヒーとオムレツはサイコーだったよ。でもお値段がお高めでした。宍道湖の見事なロケーション代と思えば仕方がないな。 

さて、モーニングしながらこの後の作戦を考えたんだが、ここまで戻っちゃったんで、コナンやめて鬼太郎記念館に行く事にした。まあ、どっちもあんまり期待してないんだけど、特にこの鬼太郎記念館なんぞ、地元の寂れた商店街が、活性化のために鬼太郎を持ち出してこじつけでなんとか客寄せできんかやってるのだろうから、そんなもん話題優先に決まってるさ。行ったら、なんたこんなもんか、となるに決まってるよ。でも、この前行けんかった所だから行ってみよう。どんなもんかは行かないとわからんしな。 で、国道431号線などを乗り継いで、鬼太郎ロードの案内に従って走っていくと、途中、車の広告で有名になったベタ踏み坂も通過した。久しぶりのベタ踏み坂は、相変わらず異次元の傾斜だった。テレビ広告が全盛期の頃は、みんなこの付近に車を止めて、車道に乗り出してスマホで撮影してる人がうじゃうじゃいたけど、流石にもうあれから何年も経ってブームが去ったか、路駐する車も車道に身を乗り出してスマホで撮る人も見かけなかった。まあ、そんなもんだわな。 ようやく、鬼太郎ロードに近づくと、観光客らしい姿が何人もいて、こちらは想像以上に繁盛しているようだった。

ゲゲゲブームもひと段落したんじゃなのか、と勝手に思ってたんで、この満員御礼な鬼太郎ロードにはびっくりしたよ。びっくりしてたら線路を走っていく列車が鬼太郎ラッピングされてて、これがまたマジな完成度なんで、おいおい、こんな本格的なノリでやってるのか、ということはちょっと期待しても良いのか。などと思いつつ、駐車場に待つ車の列にバイクで並んで待ていると、係員さんが「バイクはここに止められないから、あっちのバス駐車場の方に止めといて」と言われてそっちに行ったら、先客が1台止まってたんで、その隣に停めた。

朝の大山の寒さは何処、今や日照りもきつくかなり暑いので、手ぬぐいを持って、日焼け止め塗りまくって、鬼太郎ロードに歩いていくと、途中に案内板があって、見たら、なんと、鬼太郎ロードの妖怪の銅像が所狭しと並んでいるではないか。マジかよ、こんなに並んでんのか。ちょこっといるだけと思ってたよ、とても全部見て回れんな。そう思いつつ、鬼太郎ロードに入ると、観光客がごった返してて、押さないでください押さないでください物を投げないでくださいの京浜線通勤ラッシュ状態で、そんな中を縫うようにして記念館に向かうのだった。ロード両脇の商店街は、シャッター街どころか、鬼太郎からみの店が全開で営業してて、妖怪まんじゅうから妖怪バームクーヘンとお菓子もいろいろ、一反木綿手ぬぐいをはじめとするホームアンドキッチン雑貨とか鬼太郎ちゃんちゃんこをはじめとするアパレル製品も充実してて、この辺り一帯、一大鬼太郎テーマパークなのであった。

こりゃ観光客も来るわなー。すげー。鬼太郎おそるべし。 長いことかかって鬼太郎ロードの終点に鬼太郎記念館があった。あ、ごめん、ここまできて気がついたけど、水木しげる記念館だったよ。まあ良いや、入場料700円もしやがるなーぼったくりやがって、しょぼい内容だったら許さんぞ。JAF割引で600円だそうで、ラッキー。中に入ったら2階から行くんだけど、実筆の作品やら、キャラクターの図解やら、充実した内容だった。ほうほうまあまあだな、などと余裕かましてたのはこの辺りまでで、そのあとの妖怪洞窟には実物みたいな妖怪が並んでて、これがめっちゃ怖いんだよ。子供騙しとかバカにすんじゃねえぞ。すげーリアルなんだぞ。それに妖怪の資料みたいなのもあって、全国の地方に伝わる妖怪の紹介もあって、それが水木しげる先生のおどろおどろしたタッチの絵がメチャクチャに恐ろしいもんで、もうオシッコちびりそうになって、いやもうこの歳だとオシッコ近いんだけど、マジ漏らしそうになって、這々の体で記念館を出た。もうダメだ。夜トイレに行けないよ。今夜はうなされる。こわいよーお父さん大勢で妖怪がやってくるよー。 記念館を出て鬼太郎ロードを戻りながら、改めて商店街を見ると、本当にいろいろなお店があって全部見てたらキリがないよ。こんなにすげーと知ってたら朝から来て、ゆっくり時間をとったのに、よし今度はまっちゃんと来るぞ。

バイクに戻って、期待以上の記念館に満足したので、これでよし、これで気持ちよく帰ろうということになって、当初は美保関まで行く作戦だったんだけどやめた。国道431号線を米子に戻って、米子インターから米子自動車道に入った。あとは高速道路をつないで走って帰るだけだぜ。途中でお土産に因幡の白うさぎなんか買っちゃって、米子道から中国道、名神と順調に走って、多賀のサービスエリアで晩飯を食って、一宮でちょっと渋滞して、暗くなっちゃったけど無事帰ってきた。 

 いやー、全行程晴れでよかった。よく走った、感動した。   


走行距離 9/12 713.4km  9/13 370.9km 9/14 606.7km total 1691km

費用   計算中………………………………反応なし


sunshinebreakthrough

You're runnin' through my vein You're my sunshine

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