往きてまた還るだけ奈良井
どうも右肩が痛くて、仕事で右手で製品を運んでるからそのせいで筋肉痛になっちゃったのかと持ってたんだけど、それにしてはいつまでも痛いので放置してては治りそうにないと思い、以前も同じような件で病院に行った時にもらったインドメタシン 配合の塗り薬をヌリヌリしてたら、多少すーっとして気持ちがいい感じ痛いのが和らぐような気がしたので、これでしばらく様子をみるとしようなどと余裕かましてたんだけど、それにしては痛いのが治らないのでこれはひょっとして五十肩なのか、マジなのか、噂に聞く五十肩、原因不明の難病じゃん、これは困ったなどと思いながらも、でも腕は問題なく上がるんで、いやちょっと違うんじゃないのか、などと思ってたら、治るどころがどんどん痛くなってきて、それが肩だけじゃなくて、背中や脇腹も痛くなってきたもんで、これはおかしいぞと患部を見たらあらびっくり、とんでもない湿疹がブツブツが背中から脇腹へ広がっていたのであった。やばい、これはインドメタシン にかぶれちゃったぞ、しまった、やっぱりこんな強い薬を塗るんではなかった、どうしてくれよう、皮膚科でもらった薬ステロイド剤をヌリヌリしたけど治る気配もない、それどころかますます痛くなってきて、よく考えたらステロイドは痒みに効くんで痛いのには効かないからヌリヌリしても無駄じゃん、痛いところは何を塗ればいいのか、などと暗中模索している間にいよいよ激痛の域に達する勢いで、夜も寝られなくなってきてしまった。これはダメだ、先生のところに行ってみよう。アトピーでお世話になってる美人お嬢様先生の予約診察までまだ期間があったけど、予約の日までこの激痛を堪えて生きるなんて夢も希望もない絶望の人生になってしまうので、飛び込みの皮膚科なんぞ相当に混雑することは容易に想像できたが、まさしく背に腹をかえるわけにもいかず、行った。受付で「3時間待ちですがよろしいですか」と言われたけど「じゃやめます」なんて言えるわけないから「はい待ちます」と答えて、持久戦になることを見越して持ってきた京極夏彦先生の弔堂を読みながら待った。読み終えた頃、まさしく3時間後に呼ばれて、今日も美人なお嬢様先生、予約より前に来たのでちょっとびっくりされてびっくりする顔もたまらんなー「あら、今日はどうしました?」「こんなになっちゃいましたよー」「帯状疱疹ですね」さすがプロです即決です「げ、まじ、これが帯状疱疹」「大丈夫ですよ、今はいいお薬がありますから、1週間しっかり飲んで安静にしていましょう」「はい」「かなり痛いですよね」「めちゃくちゃに痛いです死にそうです」「痛み止めも出しますから、我慢しないで飲んでください」「はい」ということで治療に専念する1週間となり、とにかく睡眠不足、栄養不足、過労、ストレスが大敵らしいので、しっかり食ってしっかり寝て何も考えるな悩むなストレス溜めるな、という1週間を過ごして、なんとか痛みも落ち着いて、ブツブツも直ってきた。で、1週間後にお嬢様先生のところに行ったら「あら、水泡潰れましたね」「潰れまくりです」「では薬変えます、痛み止めも我慢しないで飲みましょうね」こうしてなんとか窮地を脱することになったが、えらい目こいたな。半月近くも引きこもりの療養生活をしてたもんで、やはりリハビリをしないといかんな。どうしようか、そうだ、ツーリングに行こう。ということで、ツーリングに行くことにした。
週末は晴れ予報なんだが、問題はここ何日か夏日真夏日の最高気温30度越えが続き、こんな環境でバイクに乗って走るなんて大丈夫か、病み上がりの体に大丈夫か、と思ったけど、このところ全然バイクに乗ってないので、どうしても乗りたい乗りたい乗りたいよー、理性が本能に負ける瞬間を見る思いなんだが、よくあることなんでいちいち考えてもシャーナイので、当日は早めに起きて、準備して、朝食にまっちゃん特製ハムチーズトーストスーパーナチュラルスーパースペシャルバージョンを食ったら、今日も安定の最高気温予想30度真夏日なんで、一気に盛夏体制の全身メッシュレザーで決定、実家ガレージに移動して、この日のために空気圧もバッテーリー充電もチェーン給油も完全に済ませたHONDA CBR600RR/ABSを引っ張り出して、エンジン一発始動! 吠えるインラインフォア! 唸るエグゾースト! 前回から2ヶ月半のブランクなんぞものともせず、目覚めるHONDA最強マシーン! 水温計を確認し暖機が終わったら出撃だぜ。
走り始めからスムーズなので、やはり空気圧が重要であることを再認識させられつつ、いつものコスモ石油に行く。給油機の前にバイクを止めたら、早速、ハイオク満タンだ。いつものルーチンをこなして、メール会員パスワード入力、コスモカード挿入、アプリスキャン2回、これでようやく給油開始なのでメンドーだが、割引のためなら仕方がない。これでリッター4円引きだから、積もれば大きいのだ。で、割引後の価格が126円で、8.45リットル入った。前回170キロ走ってるから燃費は約20キロだ。優秀です。とてもSSとは思えん燃費だな。などと自画自賛してたら、ワイドグライドのハーレーがどばばばばと入ってきて、車の空気入れのところで止まると、いかにもハーレー乗りっぽいライダーが空気を入れ始めた。すげーあれってバイクには無理なんじゃなかったのかなあと思いながら見てたら、いかにもハーレー乗りっぽいライダーはすごく苦労して空気を入れてた。先に出ちゃったけど、あの後ちゃんと入ったか心配だ。
国道19号線に出る。今日の目的地は御岳方面、またしても行って帰ってくるだけ作戦で行くぜ。何せリハビリだからな。余計な事はしないのだ。日曜日、早めに出てきたから交通量は少ないのでガンガンに走っていける。真夏日を想定して全身メッシュできたけど、この時間、道路脇の電光掲示板温度表示が20度なんで、ちょっと涼しいというか涼しすぎるというか、正直言って寒いのでした。がしかし、この先気温が上がるから暑くなると予測し、今はガマンの子であった。待つのだ時が来るのを。
内津峠を越えて多治見市内に入って、順調に走っていくと、途中のコンビニには、この晴天で出てくる出てくる、ウジャウジャバイクが集合してきてるよ。みんなコンビニに集合してからマスツーに出撃なんだな。いつもソロのライダーには全くカンケーない話なのであった。そんなバイクグループらを横目に走っていたら、甲高いエキゾーストを響かせて、追い越し車線に現れたのがマットブラックのR6だった。ライダーもグレーとブラックの渋い革ツナギ、使い込まれた色合いに、こいつはデキるライダー感満載なのであった。ヘルメットは見るからにピカピカのおニューの昭栄X14なのであった。しかもグラフィックの高い方なのであった。バイクもツナギも渋い色なのに、なぜヘルメットだけ派手派手グラフィックなのか、よくわからんが彼なりのカッコ良さの追求なんだろうなあ。多治見から土岐へと、日曜日の早朝、ぶっ飛ばせるガラガラの国道、こいつは勝負しないわけにはいかねーなー、ヤツもこっちをチラチラ見てる、ヤツもやる気だぜ。いいだろう、ヤマハは大人しくレジャーボートでも作ってりゃいいってことを、骨の髄まで教えてやるぜ、行くぜ! アクセル全開でぶっ飛ばし、ピー(自主規制)キロまで加速した。やったぜ、ふっ、見えなくしてやったぜ。チョロいもんだぜ。と思いつつ走って行ったら、信号で止まった。そしたらゆっくりと、奴が追いついてきて、横に並んだ。うっ、なんかチョーカッコ悪いんですけど。イキがってぶっ飛ばした免許取立てのガキみたいな走りになっちゃってるんですけど。ううっアナがあったら入りたい、と、こんな感じで瑞浪までやってきた。瑞浪といえば人気の農産物直売所きなあたが有名である。アナがあったら入りたいけど、アナがないのできなあたに逃げ込むとしよう。そしたら、本当にふっ見えなくしてやったぜと(以下略)
瑞浪から恵那に入るあたりで、今度は重低音のドロロロロが響いてきたので何かと思ったら、なんと、ガソリンスタンドで空気入れてたワイドグライドハーレー が追いついてきたよ。いかにもハーレー乗りのライダーさん、いったい何キロでぶっ飛ばしてきたんだ? などと思う暇もなく、ワイドグライドはドロロロローともの凄い加速でぶっ飛ばしていくもんで、これは負けるわけにはいかん、とこっちもアクセル全開で追いかけたら、こっちはピー(自主規制)キロで追いかけてるのに全然追いつかないどころか、どんどん引き離されて、あれよあれよという間に見えなくなてしまった。ふっ、見え(以下略)
こうして、激しい街道バトルを繰り広げて、恵那から中津川へ、そしていつもの休憩ポイントにやってきた。休憩ポイントといっても、ドライブイン元起だったところなんで、かつてはサンドウィッチ食べ放題でブイブイ言わせた元起も、今や事業用定期借地の看板も虚しく、この規模の施設を借り上げて営業できるノウハウを持つ企業なんかおらんわな、運送会社のターミナル基地くらいかな、いずれにしても、この景気では、ここが当分空き家状態になるのは必須だな。
結局、道の駅賎母まで行って休憩にした。行楽日和の日曜日だけあって、この時間でも観光客のクルマが何台も止まってた。止まってるバイクは他にいなかった。休憩してたら、バイクがどんどん走っていくのが見えた。みんなこんなところで休憩しないのか、もっと先で休憩するのか。ここは入りにくいからな。出にくいしな。
道の駅を出たら、木曽路である。木曽路は全て山の中なんである。天気はいいし気候もカラッとしてるし、文句ないんだけど、フルメッシュは涼しすぎる、いやちょっと寒いよ。これはやっぱりメッシュは早かったなー選択を誤ったか。この時期のウェアの選択は難しいんだよ。何十年とライダーやってきても、わからんものはわからんのだよ。仕方がないのだよ。標高600メートルくらいになって、どんどん涼しい。とりあえず、我慢できんわけではないのでよしとする。
途中、でかいトレーラーを登坂車線でブチ抜いて、トンネルをいくつも抜けて、木曽福島までやってきた。道の駅に入って休憩にした。さて、ここからどういうルートを走るか考える。いつものように、御嶽山をぐるりと回るルートで走るつもりだったが、スマホでルートを調べると、なんだか不穏な気配が。ところどころにバッテンマークがついているではないか。どうやら、いつぞやの台風だか豪雨だかで、路肩崩落だか鉄橋崩落だかなってるらしい。となると、このルートは走れない。権平トンネルも片側交互通行になってる。こっちのほうにしばらく来なかったから、ずいぶんと道路事情が大変なことになってるようだ。仕方ないのでこのまま国道19号線を走っていくことにした。どこまで行こうか。奈良井あたりまで行って、そのまま戻るルートでよしとしよう。奈良井の古い街並みは次回に繰り越して、今日は行ってかえるだけなんで、では出発。多くのライダーが集結しつつある道の駅を後にして、国道19号線を北上ルートで走る。
しばらく走って、順調に走って、奈良井までやってきた。木造の錦帯橋みたいな橋の近くでバイクを止め、写真を撮って、ちょっとあたりをウロウロした。実に気候がいいので気持ちがいい。ここで昼寝したい。おにぎり食いたい。ここで帯状疱疹の療養したい。しかし、世の中そんなに甘くないのであった。昼寝してる時間もないし、おにぎりも売ってないし、療養してる経済的余裕もない。が、しかし、帯状疱疹は死にそうだったが、死ぬこともなく生き延びたのは理由があるはずなのだ。その理由とはなんだ? そう、その理由とは、バイクで走るためなのだ! そうだ! ライダーは走ってなんぼなのだ! 走るぜ! 誰にもオレを止められないぜー! 奈良井を後に、国道19号線を戻るのであった。誰にもオレを止められないはずなのに、走り出して最初の信号交差点で止まった。
その後は順調に走って、大桑村まで戻ってきた。そこでセブンイレブンに入って、ホントは喫茶店のモーニングする予定だったんだけど、コメダもらんぷもないので、そんな時には頼りになる最強セブンイレブンでカフェタイムだぜ。バイクを駐車場に止めて、ナナコカードでセブンコーヒーとサンドイッチを買って食った。だんだん暑くなってきたな。食ったらお腹が落ち着いたので、中津川か恵那あたりまで戻って昼飯にしようと思い、セブンイレブンを後にした。
そこからも順調に走って、中津川から恵那あたりまで戻ってきたあたりから、急激に気温上昇、24度26度27度と道路脇の電光掲示板温度表示が通りかかる順番で上昇、最後には30度になってた。暑いぞ暑い。水温は交差点で止まるたびに100度までいっちゃうので、これはやばい、止まってはいかん渋滞はいかんと思いつつ走るのだが、何せ、岐阜県内の国道19号線、巷のライダーには最もクソつまらない国道ワースト3の常連国道、故に止まるわ渋滞するわ、どうしようもないな。汗だくになってきたので、もう、ランチなんぞどうでもいいから、さっさと帰ろう。
こうして、一番気温が高いタイミングで帰ってきた。
本日の出費
セブンカフェ 100円
サンドイッチ 259円
本日のCBR600RRに走行距離 270キロくらい
累計のCBR600RRの走行距離 27930キロくらい
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