Naturally 北海道ツーリング #3

なかなか寝つかれなくて困った。やっぱり久しぶりの北海道に動揺しているのかもしれん。必死に羊を数えたりしたが駄目だった。結局、寝たのか寝てないのかわからん状況で朝になってしまった。外を見たら太陽が出ていた。上陸初日に太陽が拝めるなんて、何年ぶりだ。テンションマックス状態で、寝不足も吹っ飛んだ。急いで荷物をまとめてチェックアウトした。バイクに荷物を積み込んで、行くぜ、もう誰にも止められないぜ。あ、でも信号ではちゃんと止まるからね。

まず、朝ごはんを吉野家で食った。それからガソリンだ。すぐにコスモ石油があったので、そこで入れようと思ったら、セルフのくせに24時間営業じゃないんだよ。やってないからスルーしたんだが、次のエネオスも出光も、みんなまだ営業前だった。やばい、苫小牧ってこんなに朝遅いところなのか? フェリーターミナルを備える港町、トラックが24時間で物流してるんじゃないのか。困った困ったと思いつつ、国道を走っていたら、ようやく営業しているコスモ石油があったので、そこで給油した。これで一安心な。

ガソリン満タンになったらもう大丈夫だ。帯広目指して突っ走るぜ。朝早いから、道もガラガラでガンガン行けるぜ。誰にも止められないぜーと思ったら、前方を走っているのが北海道専用超特大ガソリンタンクローリーであった。超法規的に法律を厳守しているのであった。要するに、めちゃくちゃスローなのであった。しかし、反対車線に出て抜かすのも行儀が悪いから、大人のライダーなんだし、ゆっくりついていくことにする。
天気はスコーンと晴れているわけではないが、そこそこ晴れているので北海道らしい風景を楽しみながら走っていく。国道234号から274号線を繋いで夕張、日高と走っていく。恒例の樹海ロードである。毎回このコースを走ってるよな。そうなんだよ、北海道のルートは毎回毎回だいたい同じ道を走ってるんだよ。いつも反時計回りなんだよ。そういうふうに習性がついちゃったんだよ。そうやって走らないと、北海道に来た気がしないんだよ。おかしいよな。まあ良いいや。
途中、夕張メロンの直売場が閉鎖されてたり、熊の巨大なモニュメントがある廃墟ドライブインは相変わらず放置されれたりと、7年ぶりに北も変わっていないところは変わっていなかった。しばらく走って、スローなタンクローリーがようやくいなくなったので、ペースを上げて走り出す。帯広に10時着が目標なのだ。ガンガン走るぜ。天気もそこそこイイからテンション上がる。ホッカイドオオオオオとヘルメットの中で叫びながら走る。が、そこでちょっと問題が発生した。なんと、気温は19度なのであった。メッシュでは寒いのであっった。あまりの寒さに、ペースが落ちたところを、マツダのロードスターに追い越されてしまった。くそっ、世界のHONDAがマツダごときに粉塵を炙るわけにはいかないのだ。道路脇に止めて、緊急用のクシタニウインドブレイカーを着用すれば、もう怖いものはないぜ。ようし、一気にマツダロードスターを追い詰めてやるぜ。アクセル全開で樹海ロードを突っ走る。あっという間に追いついた。見たかこれが世界のHONDAだぜ。ロードースターごときの全開はこの程度なのさ、と思ったら、別の大型タンクローリーがスローなブギにしてくれになってた。しかし、反対車線が開いた一瞬をついて、ロードスターは加速、反対車線からタンクローリーを追い抜いて行った。すぐにブラインドコーナーとなり、もう反対車線からの追い抜きは無謀な状態になった。ふっ見えなく(以下略、っていうか、北海道まで来てなにしてんねん)

問題のタンクローリーは登坂車線で追い越した。そして、いよいよ北海道樹海ロードの醍醐味である、十勝平原を見渡せる日勝峠までやってきた。しかも、このタイミングでドピーカンなのである。素晴らしいワンダホーアメージンなのであった。でも、この前の雨の北海道でも、ここだけ晴れたんだよね。あの時はこの後急激に天候が悪化して大変なことになったんだけど、今回は大丈夫なんだろうな。

展望台の駐車場に入ってバイクを止めたら、年配の方に話しかけられた。それで、これから帯広の六花亭に行くんですよ、なんて話したもんだから、一生懸命に六花亭の場所を説明してくれた。一応、何度か来たので知ってるんだけど、知ってますよなんて言えなかったので、そうですかーと大人の対応をした。それから展望台に上がって、青空の下広がる十勝平野をたんのんした。展望台を出たら峠を下っていく。この下りもまた北海道屈指の素晴らしい眺めの道だよな。今回はたっぷり楽しませていただきました。
そんなこんなで、帯広までやって来た。帯広はスケールのでかい農業が盛んだった。広大な畑を巨大な農耕用特殊大型車両が行き来していて、まさしくサンダーバードのコンテナから出てくるメカみたい。緑と黄色と青い空に、サンダーバードメカ、そして防風林と北海道らしい風景が楽しめるのであった。しかし、これを感動して写真にすると、なんかちょっと違うなーという出来になるんだよ。旅行先の写真ってのはみんなそうだけど、北海道は特に、この広大さをカメラのレンズでは捉えられないので、撮っても無駄なのである。心のシャッターを切って、網膜と脳裏に焼き付けるのであった。
そして、いよいよ、帯広中心地の駅周辺までやって来た。六花亭で何を買うか、まっちゃんにLINEしたが、返事がこないので、先に名物豚丼を食うことにした。元祖と呼ばれるお店に行った。誰もいなかったので、バイクを店の前に止めて、まっちゃんのLINEの返事を読んでたら、次から次へとお客さんが来て、あっという間に行列になってしまった。いや一番はこの私だ、最後に笑うのはこの私だ、などと思って先頭で立ってたら、開店前に注文を聞きに来た人が、立ってる位置が悪いもんで、次の人を一番と勘違いして注文を聞いてるので、慌ててぼくが一番ですけどと訴えたら聞き入れられたので良かったよ。ちゃんと主張できて良かったよ。次の人も文句を言わなくて良かったよ。でもボキボキ指鳴らしてるけどなんでだろ。
で、開店時間になったので店内に入って、一人席に座って、料理がすぐ来たのでびっくりした。事前に聞いてたからすぐできたのか、作り置きしてあるのかは定かではないが、蓋からはみ出る豚肉が実にうまそうなのであった。早速食ったら、ちょっとお肉が硬い気もするけど、こういう肉なのかな、タレは実に美味しく、これだけでご飯食えるな。あっという間に平らげて満足なのであった。まあでも、一回食ったらイイかな。
店を出たら、再び六花亭に戻った。まっちゃんの注文通りにお土産を買って送ってもらった。それから、六花亭喫茶でホットケーキを食おうと思ってたのだが、満席でしばらくお待ち下さいとなっていた。なんてことだ。断腸の思いだが、今回は諦めよう。どうせ、豚丼で腹パンパンで食えんけどな。恒例のサクサクパイだけは食った。やはりこれは外せない。食ったらやっぱりうまいのであった。これで帯広での作戦行動は全て終了した。次の目的地、アイヌコタンに向かう。
国道274号線241号線重複区間を走って足寄方面に向かう。この辺りは大都会なので、なかなかペースが上がらないが、市街地を抜けたら再びペースアップして走っていく。気温がどんどん上昇して、クソ暑い。とっくにウインドブレイカーを脱いで、北海道でも夏本番な気分を満喫しつつ、国道を走っていくのであった。
こうして順調に足寄までやって来た。が、しかし、天候がここへ来て急変、一気にどす黒い雲が広がり、昼過ぎの時間帯なのに薄暗くなって来た。やばい降るのか。でも所々空が明るく青空が見えるので、一時的なものと考えて、気にしないで走っていく。道の駅足寄では猿回しのミニイベントが開催されていて、子供が大喜びで見てた。ちょうどコークオン自販機があったので、北海道限定ジョージアコーヒーを買った。が、なんかベタベタするのでおかしいなと思ったら、どうもヘコ缶だったからもうその辺でおかしかったんだろうけど、穴が空いてるみたいで、漏れてるじゃん、ジジイかよ漏らすなんて。
足寄から国道241号線で阿寒湖温泉を目指す。しかし、どんどん雲が厚くなりそれが暗くなり、これはヤバイなあ降るかもなあ、カッパの用意をしたほうがいいかなあ、と思いつつ、どんどん気温も下がってきて、再びウインドブレイカーを着用するのであった。いよいよ阿寒湖付近までやって来たが、阿寒富士は全く見えす、黒い雲に覆われていた、まさしくあかんわ。それでもなんとか、作戦行動を完遂するためにアイヌコタンまで死に物狂いで走った。熱意と根性に絆されたのか、なんとか雨も降らずにアイヌコタンに着いた。アイヌコタンでいくところは一つである。いつもの彫刻アクセサリーの店、名前はなんだっけ、忘れた。写真撮ったからそれを見て。そこでアクセサリーをまっちゃんに買うのさ。名前掘ってもらうんだ。店に入ったら、すぐのところにある赤い首飾りに目がいった。ピンと来たね、これだこれしかない。そしたら店主さんが来て、これ新作ですよ、ライダーさんにはオマケしておきますよ、などと言われたので、これに決定、名前を彫ってもらいつつ、7年振りにこうしてまた来ることができた話などをした。阿寒もキノは暑かったらしい。今日は急にこんな天気になって、最近の北海道はこんな天気が多いそうだ。
アイヌコタンを出たら、雨雲が本格活動する前に阿寒から脱出する。国道240号線を今日の宿泊地北見に向けて走り出す。山から離れて平野部に来ると、ようやく普通の曇り空に落ち着いて、一安心だった。


その途中で累計走行距離が30,000kmに達したので、路肩にバイクを止めて記念撮影した。

結局、予定より早く、北見のコンフォートホテルについた。チェックインして荷物を整理して、晩ご飯に出かける。当初はジンギスカンの店に行くつもりだったが、昼が豚丼だったので、肉はもういいかなー。それに、ジンギスカンのお店は飲み屋さんだったから、飲めない人間にとっては入りにくい店ということで、北見名物オホーツク塩焼きそばにした。事前に調べておいたお店は、歩いて30分もかかるようだが、今日は全然歩いてないので歩くことにした。

テクテク歩いて店まで行くと、あまり目立たないところにある地味なお店だったので大丈夫かなーと心配になったが、地元ナンバーの車が何台か止まってて、今まさに食い終わって帰るところだった。北見の人は晩飯早いなーそれともこれが昼飯か、地元ナンバーが止まってるならうまいはずだ。そう思って店に入った。そしたら海月姫のジジ様をちょっと明るくしたみたいな店員さんが案内してくれた。メニューは洋食やらパスタやらあったけど、やっぱり塩焼きそばを注文した。これが意外にと言っては失礼だがうまかったんで良かった。ご飯があったら3杯位食っちまいそうなくらいうまかった。ご飯は食わなかったけど。だって食いすぎるじゃん。焼きそばだけで十分腹一杯になったよ。

あとはホテルに戻って風呂に入って寝ることにする。

sunshinebreakthrough

You're runnin' through my vein You're my sunshine

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