Naturally 北海道ツーリング #4

今日はよく寝れた。起きたら速攻で荷物を整理して、顔を洗ってチェックアウトする。バイクに荷物を積み込んで、昨日ホテルの人に調べてもらった24時間営業のガソリンスタンドに向かう。途中、早朝ロードワークのボクサーがビール樽を振り回しながら走ってた。迷うことなく、ガソリンスタンドに着いた。ちゃんと営業してた。臨時休業とかこのご時世よくあることだからな。そこで満タン給油してたら、ベンツが給油しに来て、速攻で給油して、おめでとうございますあたりです!と言われてたので、うまらやしいなあと思ったら、こちらも給油終了後スロットルが回っておめでとうございますあたりです!と言われて2円引きになったのでこいつは朝から縁起がいいわいと、ほくほくでそこを出た。
次は朝ごはんだ。近くにセイコーマートがあることは事前にチェック済みなのだ。そして、この前みたいな営業時間前だったなんてポカミスがないように24時間営業のセイコーマートであることもチェック済みなのだ。しかし、ファミマは24時間営業でも早朝に行くと何にも売ってないんだよな。その点、セイコーマートはどうなんだ? 見せてもらおうか、世界のセブンイレブンを超える顧客満足度を誇るセイコーマートのカストマーズサテスハクションとやらを! 店の前の駐車場にバイクを止め、店内に入ったら、ホットグルメコーナーに行く。そこには、なんとなんと、狙っていたおにぎりがトレイにフルライン満載なのであった。恐るべし、セイコーマート。朝っぱらからこの品揃え! 早速、鮭と梅干しを選んで、セイコーマートの軟水も買った。そして、店の前で食った。マジでおにぎりだった。いわゆるコンビニおにぎりではなく、マジでおかーちゃんが遠足の弁当に作ってくれたおにぎりだった。思い出すねえ、遠足のおにぎり。うまい。実にうまい。あっという間に食ったらでかいのでお腹パンパンだった。満足して出撃する。
天候はすこぶる良いので、予報では今日は北海道全域で晴れのようだから、今日の目的地、知床半島に向かうのには、やはり美幌峠越えの開陽台に寄り道ルートがベストだろう。国道39号線を美幌に向かう。なんせ超早朝なんで、日曜日だし、4車線の国道39号線はガラガラ、マジでガラガラ、車なし。完全にボウリングのレーンみたいな真っ直ぐに伸びてる何もない道であった。そこをかっ飛んで行くのはサイコーに気持ちがいいぜ。くーいい感じだぜえ、誰にもオレを止められないぜえ。ホントに止められない。市街地を抜けると、そこは広大な北海道の農作地であった。超早朝から、果てしなく広い農作地には、巨大な農耕特殊車両が行き来しているのだ。その姿が、朝日に照らされて、広がる木々の緑色、大地の茶色、そして枯れ草の黄金色とコントラストがまるで芸術作品のように繰り広げられているのであった。こんな光景を見ることができるとは、北海道すげー、来て良かった北海道サイコー。ホッカイドオオオオオオーーーと叫びながら走るぜ。
やがて美幌に入った。美幌峠への案内表示があるので、その通りに走って行く。広大な農作地には、北海道名物の枯れ草ロールが点々と並んでいた。たまらんなー朝日を浴びる枯れ草ロール、マニアにはたまりませんね。やはり朝早く走り出すのは正解だ。素晴らしいトレビアン。上機嫌のハイテンションで走っていくと、しかし、世の中はそんなに甘くなかった。勝利の雄叫びを上げるハイテンションに水をさすような電光掲示板の注意表示は、美幌峠濃霧発生走行注意だ。なんてことだ、こんな天気がいいのに、なぜだ! しかし、進行方向の山の上は、すでに暗黒の世界が待ち構えていた。高度を上げていくと、やがてすっぽりと濃霧の中に入り込み、あたりはまるで見えなくなった。ペースダウンして走っていくと、やがて、うっすらと車が何台も止まっている駐車場を横切った。あれ? ひょっとして今のが美幌峠? まるで何も見えないじゃん。なんであんなに車が止まっってるんだ? 見えないのになにしてるんんだ。しかし、そんな答えはどうでもいい。見えなきゃ仕方がない。美幌峠はスルーして、山を降りる。麓の弟子屈まで行ったらまた晴れているだろう。しかし、それも甘かった。高度を下げて、麓に降りても、暗黒の世界は終わっていなかった。昨日の悪夢の再来であった。阿寒国立公園全域が暗黒の世界だったのだ。ダークサイドに落ちた愚か者になってしまった。そして、ふと気がつくと、ヘルメットや腕の辺りが濡れているではないか。ヤバイ、これは霧雨か。放っておくとびしょ濡れになってしまう。この先、晴れる見込みはまるでなかった。くそう、断腸の思いだが、ここで緊急雨中走行装備へのトランスフォームを敢行する! セイコーマートの駐車場に逃げ込んで、そこでレインスーツ着用、荷物にカバー装着と、雨天モードに切り替えた。そして、この先の作戦を考えた。いろいろ考えたんだけど、結局、行けるところまで知床へ行こうと言うことで、どうにも晴れそうにないし、どう考えても、知床に行っても過去の二の舞になると思うけど、それでも、ここで引き返すわけにはいかないのだよ。男には、負けるとわかっていても行かねばならない時があるのだ。
そうと決まれば迷うことはない。国道243号線と道道13号線を進んで中標津へ、そこから国道244号線で標津へ、ひたすら走っていく途中、牧草地の馬がいたので写真を撮ってたら、馬も不思議そうにこっちを見てた。

そんなこんなで標津まで来た。何台も走ってるライダーは全然レイン装備などしてなかった。空も晴れてはいないが、暗黒の世界ではなくなったので、セイコーマートの駐車場に入って、そこで雨天装備を解除した。取りあえす、本降りの雨にはならなくて良かった。でも、この先いつ雨が降り出すかわからない空模様だった。くそ、天気予報は本当にアテにならん。国道335号線を羅臼に向かう。半島方面は雲が覆っており、展望厳しい。。それでも走っていくと、少しづつだが、空が明るくなって来て、一部に青空が見えるようになって来た。これはもしかしたらいけるかも知れん。道の駅羅臼に着いたので、そこで作戦を練る。が、とにかく行ってみなきゃわからんので、あーだこーだ言ってないでバイク乗りは走ってナンボである。走って行こう。

道の駅羅臼を出たら、知床横断道路を駆けていく。グングン高度を上げていくと、しかしやはり雲が覆っているのには変わらなかった。やがて霧のようなものの中に入って、そして、思ったよりあっさりと、知床峠に到着した。残念ながら、展望は全く望めなかった。ここで、羅臼岳をバックに旗艦CB1300SFの記念撮影をする予定だったのだが、それは未達のまま作戦終了となる。無念だが仕方がない。これまでのようなザーザーの雨ではなかったから、少し進歩したということしておこう。
気を取り直して、こうなったら食うしかないよ。食いまくりだよ。もう迷わず、一番高いのを食うよ。漁港の海鮮丼を食うのだ。いくぞ、斜里へ、ウトロ漁港へ! 走り出したら、まさかの事態が起こった。なんと、斜里側へ降りていくにつれ、どんどん空が青くなって来て、半分も降りて来たら、空はドピーカンなのであった。これは、メイクミラクルか!? 振り返れば羅臼だけの雄大な姿が望めるのだ。おお、これはもう、叫ぶしかなかった。ホッカオドオオオオオーーーウオオオーーーぐわあああああーーーーげわーーーーーードワーーーーーー。

こうして半狂乱で下界に降りて来た。そして、ゴジラ岩の近くにあるはずの漁協の食堂に向かった。ちょっと迷ったというかかなり迷って、道が一本違ってたとわかったらすぐ見つかった。見たところ、プレハブの小屋みたいで、ここが本当に食堂なのかと心配になったが、暖簾もかかってるし、営業中と表示出てたので、勇気を持ってバイクを止め、中に入ってみた。そしたら狭い店内は満席で、お一人様、一番奥へどうぞ、と言われたので一番奥の席に座った。隣のカップルがラーメンとチャーハンを注文してた。ラーメンもおいしいようだ。しかし、ここへ来た理由はただひとつだ。迷わず三種盛りを注文した。他にも何人か三種盛りを注文してた、やはり人気なのだ。そして、やって来たのが生鮭切身と焼鮭ほぐしといくらが山盛りになった丼であった。丼はちょっと小ぶりだけど、具が丼であった。具がドーンであった。早速食った。うまいしぬ。これはまさしく、味の三拍子揃い踏みやー鮭の家族競演やーなどと心の叫びを上げながらガツガツ食った。満足した。

それから天気がいいのでもう一度知床峠まで走ってみた。峠は相変わらず霧で何も見えんかったたけど、ドピーカンの知床横断道路を半分もう一回走れて満足だよ。いやー、苦節うん十年、やっとこさ晴れのドピーカンの道東を走ることができたよ。来て良かったよ。やっぱり来て良かったよ。

こうなると知床五湖にも行ってみたい。ここも本当に久しぶりだ。前回も前々回も悪天候で行くこともなかったからな。走っていくと、途中、岩見沢ユースホテルが廃業して廃墟になってた。おお、また伝説のユースホステルが消えたのか。あれこれってこの前も言ってなかったけ? まあいいや、時代はユースホステルなんかお呼びじゃないもんな。

気持ちの良い空の下をうねうね山道を走って、知床五湖の駐車場についた。料金を払って、誘導されて駐輪場にバイクを止めた。駐車場のや施設の様子は変わらないな。しかし、観光地図の看板を見ると、空中歩道はかなり延長されてた。知床五湖のうちのひとつが見ることができるようになってた。ここは過去2回くらいきてるけど、知床五湖のトレッキングなんて行ったことなかったもんな。歩くの大変だからさ。道もあまりよくないし。木造の空中回廊なら大丈夫そうなんで行って見ることにした。

観光客が大勢歩いている。なんだかんだといっても世界遺産の知床は人気の観光地だな。斜里側に限るけどな。羅臼川はいまいち盛り上がってないようだからね。で、長いこと空中回廊を歩いて、ようやく湖まできた。知床の湖を初めて観たよ。天気もいいし良かったよ。

十分に楽しんだので、そろそろ知床ともオサラバしよう。後ろ髪を引かれる思いだが、また来ることができると信じて、ウン十年ぶりに晴れた知床から出発した。本日の作戦行動は全て終了したのでホテルに向かう。

国道沿いの牧草地にもロールがいっぱい転がってた。遠くに見えるのが斜里岳で、この斜里岳と羅臼岳が見ることが出来たら上出来なのだ。気分上々で走って行くのだ。しかし、ちょっと涼しすぎるのはなんとかしなければいかない。明日はさらに北上するのだから、もっと涼しくなってしまうからな。

網走に入って、道の駅があったので寄ってみた。そしたら謎解きがあったので、こんなのあったよーとまっちゃんにLINEで送っておいた。そして、ユニクロが近くにあったので行って、防寒具がわりにヤッケみたいなのを一枚買った。

ちなみに、この謎解きは、まっちゃんの周辺の謎解き仲間の間でちょっと話題になったらしい。

網走市内を順調に走って、迷うこともなくホテルに到着した。今夜の宿は網走ロイヤルホテルだ。駐車場にバイクを止めてチェックインする。部屋で荷物を整理したら、晩飯を食いにいくぞ。行き先はすでに事前に調査済みなのだ。駅前の洋食屋さんに行くのだ。ホテルを出て、網走駅の方に歩いていく。

駅前はホテルがいくつかあるくらいで、全く繁華街らしいところもなく、これで駅なのかと思うんだけど、駅の放送で、札幌行き特急はなんたらーと聞こえるので、特急が出るくらいなんだから大きな駅なんだよな。こういうのを見ると、JR北海道の衰退ぶりがわかるよ。地方の疲弊は深刻だ。

狙っている洋食屋さんは駅ビルの1階に入ってる。外見は事前に情報を集めてなかったら絶対入らない感じのお店だった。しかし、ここは迷わず入った。店内はシンプルな構成で、どっちかというと、市役所の休憩所みたいだった。ヤバイ。これはハズレかなと心配したが、もはや後戻りはできん。客も誰もいないので、好きな席へどうぞ、と言われて窓際に座った。網走名物ザンギ丼を注文した。カウンターの奥でシェフが料理を始めたけど、なんか火が上がってるんですけど、ザンギ丼って火が上がるんか? などと思っていたら、ほとんど待たされることなく、ザンギ丼ですと言って女性店員さんが持ってきた。それが、予想の斜め上の展開だった。丼を注文したのに、皿盛りだし、焼き野菜の盛り合わせ付きだし、スープも洋風だし、何しろ、洋風創作料理なんだよ。絶好のインスタ映えする料理が来てしまって、どう対応すればいいのかわからず、とにかく食うことしかできなかった。って、当然食うわな。食ったらめっちゃうまいよ。コレヤバイマジヤバイコレヤバイマジヤバイ。あまりのうまさにあっという間に平らげてしまったよ。うーむ、他のメニューもどれもうまそうで、気になる気になる気になるぞ。一番人気のスパゲティとか食いたかったけど、絶対に食い過ぎになるので断腸の思いでやめた。ここは絶対にまた来るぞ。満足して店を出た。

セイコーマートでおにぎりを買ってホテルに帰った。風呂に入って寝た。


sunshinebreakthrough

You're runnin' through my vein You're my sunshine

0コメント

  • 1000 / 1000