Naturally 北海道ツーリング #5

今日もよく寝た。起きたら昨日買ったセイコーマートのおにぎりを2個食った。起きていきなり食うのはちょっときついというか、お腹ビックリ。食ったら顔を洗って荷物を整理して、チェックアウトだ。しかし、フロントで係員を呼んでも誰も出てこない。仕方がないから先に荷物を積んで、再びフロントを呼んだが誰も出てこない。諦めてカギを置いて行く。なんだかなあ。
ホテルを出発して、まずガソリンスタンドに向かう。昨日ホテルで教えてもらったところへ行くと、ちゃんとやってたのでそこでガソリン満タンにした。今日は宗谷岬に行く。天気予報では午後から雨が降るというので、午前中勝負だ。超早朝出発だから余裕で行けるはず、たぶん。いや、たぶんなんて言ってるからダメなんだ。必ず行ってやるぜ。帆立ラーメン食ったるぜ。できる、必ずできる。鼻息も荒く、ガソリン満タンでバリバリの旗艦CB1300SFはカツ丼でいく。なんでカツ丼なんだよ、違う、かっ飛んで行くんだよ。
国道243号、通称オホーツク街道を網走からまず紋別に向かう。能取湖の周囲を走って行くと、朝日が上ってくるのが見えた。これは、朝から縁起がいいぞ。この勢いでガンガン行くぜ。平均巡航速度ピー(自主規制)キロで走って行くと、後方から白いミニバンから急速接近してきた。なにい!このピー(自主規制)キロで走っているのに、ヤツはいったい何キロ出しているんだ!と、ナンバープレートをミラー越しに確認したら、地元ナンバーでした。恐れ多くも、地元ナンバーの、しかも白いミニバンとくれば、気合いの入った方々、そそくさと左に寄って道を譲った。そしたら、あっと言う前に行っちゃったよー、ふっ、見え(以下略ってまだ言うか)

紋別の道の駅でちょっとだけ休憩して、セイコーマートの軟水を飲んだ。そして再び走り出す。ガンガン行く。どんどん行く。天気はやはりだんだん雲が多くなってきたが、まだまだ雨が降る様子はない。大丈夫だぜ行けるぜ。しかし、道の脇に八割れの猫がいたので止まった。高速移動中のバイクを止める猫の力恐るべし。

そろそろ通常の時間帯になって、反対車線のバイクもたくさん走ってきた。しかし、皆さん立派なバイクに乗ってらっしゃるね。ツアラー系のバイクがとても多くて感心しました。BMWが特に多くて、次にゴールドウィング、しかも新型の方だよ。そしてハーレーのツアー系、もうね、ウジャウジャ走ってるよ。どれもこれも300万以上する代物なのに、これが日本型格差社会というやつだな。昔は北海道ツーリングなんて、カブとかセローみたいなオフロードバイクとか、400クラスで走ってることが多かったのに、そんなんほんと見なくなったよ。オフロードバイクでよく見るのはでかいアドベンチャーモデルだね。お前、それで絶対林道を走らないだろっていう感じのライダーが乗ってる。まあ、わかるよ気持ちは、憧れてた時期はあったからな。

そんな社会の縮図が詰まったオホーツク街道は枝幸までやって来た。恒例の、いつもの道の駅で休憩するのだけど、今日は朝早すぎるので道の駅が営業していなかった。超早朝に出て超高速で来たからな。何か腹の足しになるものでも食うつもりだったが、やってないから仕方がない。先を急ごう。天気もいつまでもつか分からないからな。
道の駅を出て走っていたら、45°線記念碑があった。ああ、そういえばこの辺りにあるんだったな。せっかく来たので記念撮影しておこう、バイクを止めて写真を撮るのだが、どうにも被写体が小さ過ぎてよくわからん。バイクと一緒にとっても、何を撮ったの? と言われそうであかんな。やっぱり写真の腕が悪いとこういうのは無理だ。エヌサカだったかエサヌカだったかもこの辺りが入り口じゃなかったっけ? 毎回通過して走らずじまいなんだよな。
しばらく走ったら神威岬に着いた。ここも晴れていれば素晴らしい光景なんだろうけど、こんな曇天ではどうにもパッとしない。どこにでもあるただの岬になってしまった。残念だが仕方ない。駐車場には早朝釣りにきてた人たちが撤収し始めていた。
そしていよいよ、道路交通案内表示に宗谷岬が現れた。おお、ついについに、ついにきたかこの時が。いやがおうにも盛り上がり、テンションマックスで突っ走る。岬への丘陵地帯に到達し、そこヘアピンカーブをいくつもこなしていくと、目の前に、宗谷岬後9キロの看板が現れた。これこそ、かつてはじめて北海道宗谷岬を訪問したときに記念撮影した看板、ちょっと形状変わってるけど、それからCB1000SFと先代CB1300SFでも記念撮影しているので、今回、新型となったCB1300SFでも必ず、ここで記念撮影しなければと誓っていたのだ。いわば必修科目であった。それが達成できたのだ。いそいそと写真撮影をしていると、これまた駐車帯に車を止めて釣りをしていた方々が、遠くから来たんだねー何もないところだけど楽しんでってください、と声をかけてくれた。いえ、最北端というだけで相当な価値があるのですよ、ライダーにとっては特に。
写真撮影を終えたら、釣り人に挨拶をして出発する。そして、そこから数分後、ついに、ついに7年ぶりの最北端への到達の時がきたのだった。ジャーン。駐車場にバイクを止めると、宗谷岬の碑には記念撮影の行列ができていた。最近はちゃんと並んで撮影してるんだ。昔はそれはもう混沌としてて、他人のことを考えない奴が勝ちみたいな、日本の社会の縮図を見ていたようだったけど、進歩しました。もう何度も来ているベテランライダーにとって、宗谷岬の碑の記念撮影など今更どうでもいいのであった。まずはとにかく、いつもの最北端到達証明を買いに、青い色の最北端のお店、台風が来て大しけになったら真っ先に半壊する位置に建ってるお店に行った。そして、到達証明ください、と言ったら、相変わらずやる気のなさそうな若い娘の店員がダルそうにメンドくさそうに、はあいどうぞお100円ですう、と機械的に対応してくれた。こんなもん欲しがるのは小汚いおっさんライダーばっかりだろうから、うんざりするのも仕方がないか。
それを買ったら、メインイベント、最北端のラーメンを食うのだ。丘の上の宗谷公園にあるラーメン屋でラーメンを食うのが、今回のミッションなのだ。いそいそと徒歩で坂を登って、丘の上までヒーヒーフーフーと登り切った。なんでバイクの登らないかって? それは健康のためですよ。毎日毎日バイクばかり乗ってると、足腰が弱くなるから、ちゃんと歩かなきゃいけないんです。別に坂道で転ぶのが怖いわけじゃないよホントだよ。登り切ったらお店が営業していたのでホッとした。こういう店は平気で臨時休業するからな。こちとら、なぜかそういうタイミングに遭遇しやすい体質ときたもんだ。とにかくやっててホッとした。
店に入ったら、いかにも店を仕切ってるオーラ出しまくりのキツそうな何気に美人のおねーさんが、何人様ですか、こちらへどうぞ、何人様ですか、そちらに名前書いてお待ちください、店内では待てませんので外で待ってください、テキパキと来客を処理してた。一人ですと申告すると、消毒してください、で、カウンターにどうぞと言われてそこに座って、塩帆立ラーメンを注文した。隣のカップルはカレーを注文してた。店の中は有名人のサイン色紙がびっしりと張り巡らされていた。最北端のラーメン屋さんなんてグルメ番組の絶好のネタだよな。程なくラーメンができたので、早速食った。帆立はでかいのがゴロンと丸ごと入ってた。スープは最高に旨い。ずるずると麺を食い、帆立をかじって最北端の味を噛みしめた。旨かったです。でも一回食えば十分です。
食ったらバイクに戻って、とりあえず、遠方から長距離撮影で、人がいなくなった瞬間を狙って宗谷岬の碑を撮影する。望遠側が短いから届くのが精一杯でも、いやとりあえず、ここまで来たんだからさ、一応押さえておかないとね。だから正面から撮れないのでちょっと斜めです。ひねくれ者のライダーだから丁度いいってやかましいわ。

宗谷岬の碑も撮影したので、いよいよ最北端でガソリン満タンだ。最北端のガソリンスタンドに行って、レギュラー満タンにしてもらう。そして記念の最北端給油証明をもらった。このために途中で給油せず来たのだ。本当はホテルに入る前に満タンにするのは嫌だけど、だって、ホテルでどんなところに止めろと言われるかわからないからな。重くて取り回しが大変な状態にしてホテルに行く気にはなれんのだが、今回は仕方がない。できることならホテルの駐車が楽なところだといいな。

まだ時間たくさんあるので、降ってこないうちに宗谷丘陵を走ってこよう。いったんぐるりと回って、宗谷岬を通過し、その先の入り口から宗谷丘陵へ入った。天気はイマイチだが、それでもこの眺めは見事なものだった。牛があちこちで放牧されていたので、かつてのまっちゃんの名言「牛が点々!」状態だった。ぐるりと走ったら、途中で牛が近くで見えるところもあったので、写真を撮った。

そして、宗谷岬に戻ったくらいで雨が降り始めた。丁度お昼ちょっと過ぎたくらいで、時間別天気予報は12時から雨になってたので、ほぼほぼ正確なわけで、くそ、マジで降って来やがった。もうちょっと持ってくれたもいいのに。せめてホテルに入ってから降ってこいよ気が利かねーな。と文句を言っても始まらないので、諦めて雨天走行装備に設定変更、こうなるともうホテルに行くしかないので、今夜の宿稚内グランドホテルの位置とルートをスマホで確認し、宗谷岬を後にした。さらばだ。今度いつ来るかわかんないけどまた来たいです。

マジ降り本降りになった。こりゃまいったな、こんなザーザー降ってくるとは思わなかった。ちょっと降ってすぐ止むかと思ったんだが、予想が全然甘かったな。雨の中は淡々と走るしかなく、淡々と、苦行僧みたいに走って、稚内市街地までやって来た。一応、最北端の駅まで行ってみようと思って、稚内駅まで行った。で、どうするか考えて、雨を避けることができるところと言えば、あそこしかないじゃんと、防波堤ドームだよ。そこへ行ったら同じかと考えてるライダーが勢揃いだった。みんな完全カッパ装備のやり直しやら荷物の完全防水化やら忙しそうだった。そこで、ホテルの位置を確認し、チェックインの時間を確認したら2時から可能だったので、こりゃいいや、もう行こう、ちょっと早く着いてもチェックインできるはずだ。
こうして、ホテルへ向かうことにした。場所は地図でしっかり確認したから大丈夫なんだが、現場まできたら困ったことに、どこが正面玄関なのか分からない。大通りの方が正面玄関だと思って、そっちに行ってもなくて、裏に回ったら、裏路地みたいな方に正面玄関があった。でもにわかに信じられなかったので、そこへバイクを止めて、カッパを脱いで、中に入ったら、やっぱりそこがそうだった。稚内グランドホテルなんて立派な名前だから、もっと大きな通りに正面玄関がデーンとあると思ったのに、こんな場末の飲み屋街の方に正面玄関があるとはなんだこのホテル。バイクは玄関のピロティの下に止めて良いそうで、でも、ものすごい段差があるんだけどね、この段差を大排気量重量車で乗り越えろってのは、何にもわかってねーな。っていうか、これバリアフリーの点から問題じゃね? と思ったら、一番隅っこに申し訳なさそうに付け加えたみたいに車椅子用の斜めのレーンがあったので、そこからバイクを乗り込ませた。はっきり言ってヒヤヒヤだった。コケたらもう一生の不覚だからな。しかも雨で濡れてて滑りやすいしさ。でもなんとかハードラックとダンスっちまうこともなく中に入ったのでよかったです。でも今度は下ろす時が怖いです。
チェックインして、部屋に入って、濡れた荷物を広げて、カッパを乾かして、など色々やってたら結構な時間になってしまった。落ち着いたので晩ご飯を食いに行く。ザーザー雨が降ってるので、近所で済ませたいが、晩飯候補のお店はみんな稚内駅付近、この稚内グランドホテルは南稚内駅なので、移動が大変なんだよ。仕方がないよ、ここしかホテルが取れなかったから。ホントはサフィールホテルとかドーミーインとか泊まりたかったけど、諸事情ありまして予約が取れませんでした。だから文句言うな。電車に乗ればいいんだよ。南稚内駅まで雨の中歩いて行ったら、次の電車が17時過ぎですと言われて顔面蒼白。地方の鉄道のダイヤをなめていたよ。うちの近所の中央線とは違うんだよ。1時間に1本もないのか、これまたJR北海道の衰退ぶりを実感するのだった。
仕方がないから歩いて行った。なんの罰ゲームだよ。これはもう絶対に稚内駅まで行くべきだと言わんばかりにザーザー降って来やがって、それに加えて歩道の舗装が波打ってるもんでそこら中にプールに入る前の消毒槽みたいな深い水たまりがあってバシャバシャ、それに道路を走る車からの水飛沫がバシャバシャとハリウッド映画の過剰な演出くらいに飛んできてほとんどずぶ濡れ状態。ちなみにホテルで借りた傘は100円均一のやっすい傘で、全然雨をかわせないからないよりマシ程度。このような苦難の旅を続けること34分、ようやく稚内駅のお店に着いた。もちろん営業していなかった。夕方の開店時間まではまだ時間があるもんな。でも店の電気はついていたので、ここで待つことにした。そしたらマスターが気がついて、事情を話したらじゃあ中で待っててください、と中に入れてくれた。なんて素晴らしい顧客サービスの充実度、ネットでぶっちぎりの高評価をされてるだけはあるな。店内がまたいい雰囲気で、大人の男と、大人の女が、昨日はなにしてたの、そんな昔の事は忘れたね、なんて会話してそうだった。

で、ママさんらしき女の人が、時間前だけど注文取りに来た。何がいいか分からなかったので、一番最初のメニューを頼んだ。ポークソテーとライス。開店時間までまだあるので待たされるなあと思ってたら、もう作ってくれたよ。なんという素晴らしい顧客サービスの充実度。だが持ってきた料理、さらに盛られたのが、巨大な肉の塊。なんですかこのとりわけサイズ。これってあれでしょ、ここから切ってみんなで分けて食うパーティーピーポーのメニューでしょ? まさか一人分? 長さ177メートル幅64メートル高さ49メートル重量650トンくらいの肉の塊です。皿に盛られたライスも、普通のライスって皿にへばりついてるような盛り方でしょ? このライスは皿に山盛りだった。文字通り、更に山盛りだった。上手いこと決まったな。

いやーボリュームがあるとは聞いてたけど、これはもう桁違いです。臆することはないぞ、食うぞ。ナイフを入れると肉は簡単に切れる柔らかくジューシーで、口に入れたらもうめちゃくちゃうまい。うまいうまいうまい。うまいなんてもんじゃないよ。この巨大な肉の塊が中までしっかり火が通り熱々でしかも柔らかい。どうなってんだ。うまいのでガツガツ食う。どんどん食う。しかし、半分ぐらい食って苦しくなってきた。いかん調子こいてライスもガンガン食ってた。なんせ肉は650トンだからな。これは厳しいと判断して、ライスを諦めて肉だけに集中した。このような格闘を繰り広げていたら、開店時間になったみたいで、次から次へお客さんが入って来た。で、聞いてたらみんな注文は小ライスなんだよ。うー、見込みが甘かった。なめてました。激闘の末、なんとか肉の塊を撃破したが、ライスは落城できなかった。会計の時にママさんに残しちゃいましたごめんなさいと謝ったら、小ライスのこと言ってなかったわねえ、と言われました。今度は小ライスにしてね、とも言われました。次くるのがいつになるかわかりませんが、覚えていたらそうします。しかし、出されたものは全て食べよのお館様のご尊言が守れなかったので、もはや私はテラ飯倶楽部失格です。そんな私がもう一度この門をくぐって良いのでしょうか。次はみんなが注文してるハンバーグに小ライスにしていいですか?

しかしお腹も心も満たされた。大満足して、再び雨の中風もひどくなって来た中、ひたすら歩いて、それでも途中でセイコーマートでおにぎりを買ってホテルに戻った。戻って、びしょ濡れになった服を広げて乾かして、このホテルは大浴場があるのでそっちに入った。冷えてしまったのでゆっくり入ってぬくぬくした。でかい風呂はいい。やっぱり風呂はでかいほうがいいぞ。ケンシロウ、でかい風呂はいいぞう。あったまったらでた。部屋に戻って今日はよく走り、よく歩いて疲れたのですぐに寝た。


sunshinebreakthrough

You're runnin' through my vein You're my sunshine

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